韓国ドラマでは強烈な存在感を放つ「悪役」が登場すると、私達の記憶に深く残ると共に、ドラマの面白みも倍増します。
また、悪役キャラを演じることによって演技力が注目されることも多く、俳優たちが好んで悪役を演じるケ-スも多いようです。
今回は強烈な個性の悪役を好演して、注目を集めた俳優を10人ご紹介します。
ナムグン・ミン
最初にご紹介するのは、「ゴッドグンミン」の名で愛される演技派のナムグン・ミンさんです。1978年3月12日生まれで、2023年現在、芸歴21年です。
シリアスからコミカルまで幅広いジャンルの役柄をこなし、まさに神業と思うような圧倒的な演技力を誇る俳優です。
2002年、シットコム「大当たり家族」でデビューすると、2004年には「かけがえのない我が子」で初主演をつとめました。
その後も、優しい笑顔の爽やかな好青年や、人間味あふれるキャラクターを数多く演じていましたが、そのナムグン・ミンさんがインパクトある悪役を演じたのは、2016年のドラマ「リメンバー ~記憶の彼方へ~」で、視聴率27%超という驚異の数字を叩き出す大ヒット作となりました。
本作では、殺人事件の真犯人である、傍若無人な財閥御曹司ナム・ギュマン役を演じており、優しさのかけらもない暴力的なサイコパス役で、視聴者に徹底的に嫌われる演技を見せました。
これで、アメリカの「ドラマフィーバー・アワード」で、「最高の悪役賞」を受賞しています。
オク・テギョン(2PM)
続いてご紹介するのは、演技ドルの枠を超え、俳優としてメキメキと成長している、2PM オク・テギョンさんです。1988年12月27日 ソウル特別市生まれで、2023年現在、芸歴15年です。
従来の韓国アイドルの常識を覆す男臭さや筋肉美、野生を売りにしたことから「野獣アイドル」とも呼ばれています。
2008年にボーイズグループ2PMでデビューし、2010年からは演技者としても活動を始め、「シンデレラのお姉さん」を皮切りに「ドリームハイ」や「キスして幽霊!」などで活躍しました。
そして、2021年のドラマ「ヴィンチェンツォ」では初の悪役に挑戦し、その怪演ぶりが注目を集めました。自身では「僕の悪の部分を引き出しました。違う人格が出たとは思いません」と語っています。
本来は優しく誠実で好感度の高いテギョンさんですが、通常の彼からは想像できない怒りと狂気に満ちた表情や目つきが、視聴者に大きな印象を残しました。
カン・ドンウォン
三人目にご紹介するのは、美しいルックスと高い演技力に定評がある、カン・ドンウォンさんです。1981年1月18日 釜山生まれで、2023年現在、芸歴20年です。
大学時代にスカウトされ、2000年にモデルデビューし、パリコレの出演経験もありますが、2003年にはドラマ「威風堂々な彼女」で俳優デビュー。
2004年、映画「オオカミの誘惑」で初主演しました。
カン・ドンウォンさんは、2010年の映画「超能力者」や、2014年公開の「群盗」で悪役演技を披露しています。
朝鮮王朝を舞台にした映画「群盗」では、冷酷非情な武官チョ・ユンを演じており、劇中では美しい剣さばきやアクションシーンを披露しました。
悪役でありながらも華麗な演技が話題を呼びました。
自身の役について「今までも悪役は演じたが、チョ・ユンは積極的に悪く演じるようにした」と語っており、役作りへのこだわりを明かしてます。
難しい悪役をしっかりと演じきる、カン・ドンウォンさんの姿に引き込まれます。
ソン・スンホン
四人目にご紹介するのは、凛々しい顔立ちと逞しい体つきで、多くのファンを虜にしているソン・スンホンさんです。 1976年10月5日生まれで、2023年現在、芸歴27年です。
1996年の「男女6人恋物語」で俳優デビューすると、2000年に主演したドラマ「秋の童話」が大ヒットし、トップスターの仲間入りを果たしました。
スンホンさんといえば、完璧なビジュアルを生かした王道のロマンス作品のイメージが強いですが、近年はその路線から大きく外れた「ボイス4(2021年)」をはじめ、
落ちぶれた元国会議員を演じた「偉大なショー~恋も公約も守ります(2019年)」に、恋愛下手な精神科医役に扮した「夕食、一緒に食べませんか(2020年)」など、従来イメージとは異なるキャラが好評となりました。
そして、彼が悪役に初挑戦したのが、2017年の映画「隊長キム・チャンス」で、劇中では監獄の所長役を演じ、人々を容赦なく殴りつける暴力的な姿を披露しました。
その鬼気迫る暴行シーンの表情は恐ろしく、優しい目元が鋭い目つきに変わる瞬間も見逃せません。
更に、2023年のネトフリドラマ「配達人〜終末の救世主〜」での悪役演技にも注目が集まっています。
チュ・ジョンヒョク
五人目にご紹介するのは、愛される悪役としての地位を確立し、今後の活躍が期待される今注目の若手俳優のチュ・ジョンヒョクさんです。
1991年7月27日 仁川広域市生まれで、2023年現在、芸歴8年です。
中学生の時にニュージーランドに留学し、そのまま現地の大学へ進学しますが、在学中に俳優になるため韓国に帰国しました。
そして、ネトフリオリジナルシリーズの「D.P. -脱走兵追跡官-」や「ユミの細胞たち」に「黒い太陽〜コードネーム:アムネシア〜」、「ハピネス」などに出演し、俳優としての地位を築きつつあります。
また、2022年の大ヒットドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」で悪役の「腹黒策士」クォン・ミヌ役を演じ、日本でも一躍注目を集めました。
憎らしいほど演技が上手すぎることから、SNSには主人公のウ・ヨンウをいじめないでほしいというコメントが殺到したほどです。
しかし、劇中では憎まれ役でありながらも、仕事や仲間を通して成長する姿を見せ、最終的には愛される悪役としての地位を確立しています。
キム・ウビン
六人目にご紹介するのは、モデル出身らしく、長身を生かしてさまざまな役柄に挑戦し、ドラマや映画でカリスマあふれる演技力を披露しているキム・ウビンさんです。
1989年7月16日 ソウル特別市うまれで、2023年現在、芸歴12年です。
2011年、ドラマ「ホワイトクリスマス」で俳優デビューすると、若手俳優として注目を浴びつつ、着実に多くの作品に出演していきます。
そして、「浪漫ドクター キム・サブ」や「ミスター・サンシャイン」などの大ヒット作に悪役としてキャスティングされ、今や韓国を代表する悪役俳優となりました。
しかし、咽頭がんで2017年から2年以上闘病生活を続けていましたが、2022年に「見習い社長の営業日誌2」やドラマ「私たちのブルース」と、映画「宇宙+人」を通じて完全復活し、その変わらない逞しい姿と強い存在感に明るい笑顔で、健在ぶりを見せてくれました。
キム・ゴヌ
七人目にご紹介するのは、まだキャリアの浅い若手俳優ですが、デビュー以降順調にドラマ出演を重ね、着実にステップアップをはかっている、キム・ゴヌ さんです。
1992年1月10日生まれで、2023年現在、芸歴6年です。
数えきれないほどのオーディション不合格を経て、2017年に「サムマイウェイ」でドラマデビューし、2018年には、ドラマ「ライブ」で警察官役、「悪い刑事」では連続殺人魔を演じるなど、多様な姿を見せました。
そして、2020年「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜」で、加害者グループの一員であるソン・ミョンオ役を演じたキム・ゴヌさんは、いかついタトゥーやロン毛をトレードマークにして、裏切りや卑劣な行為を繰り返し、強烈なインパクトを与えました。
また、相手に威圧感を与える鍛え上げられた肉体美も見どころ十分で、ドラマ「青春の記録」では、パク・ボゴムを殴るトップスター役を務め、嫌味な悪役演技を披露しています。
パク・ヘス
八人目にご紹介するのは、ドラマ「刑務所のルールブック」や「イカゲーム」などへの出演で知られる、パク・ヘスさんです。1981年11月21日 京畿道水原市生まれで、2023年現在、 芸歴16年です。
2007年、舞台「ミスターロビー」で俳優デビュー。以降、「アンナプルナ」など多数の舞台に出演しています。
そして、2017年のドラマ「刑務所のルールブック」で主人公キム・ジェヒョクを演じ、ザ・ソウルアワーズ・新人男優賞を受賞。また、2021年のドラマ「イカゲーム」で主人公の幼馴染チョ・サンウを演じて、国際的に知名度を上げました。
そんなパク・ヘスさんは、2020年の映画「狩りの時間」で悪役として登場し、どっしりとした存在感を放ちました。
演じた「ハン」という人物は、ベールに包まれた謎のキャラクターでしたが、恐ろしいほど冷徹で強烈な印象を残しました。
ソ・イングク
九人目にご紹介するのは、歌手と俳優の二刀流で、日本でも成功した、ソ・イングクさんです。
1987年10月23日 蔚山広域市生まれで、2023年現在、芸歴14年です。
2010年、スーパースターK優勝で歌手デビューすると、2012年ドラマ「ラブレイン」で俳優デビューも果たします。また、同年、ドラマ「応答せよ1997」で初主演に抜擢されると、音楽の賞も席巻するなど、歌手としての地位も獲得しました。
更に、2013年〜2016年は、多方面で活躍し日本デビューも果たしています。
そして、2022年公開のハードボイルドサバイバルアクション映画「オオカミ狩り」で、従来とは180度違う姿でスクリーンに登場しました。
容赦ない残酷描写が話題となり、各国の映画祭でも注目を集めた本作品で、ソ・イングクさんは、極悪犯罪者で刑事たちに牙を剥く男ジョンドゥを嬉々として怪演しました。
アン・ボヒョン
最後にご紹介するのは、日本でも話題になったドラマ「梨泰院クラス」で主人公パクセロイの高校の同級生、グンウォン役を演じて話題になったアン・ボヒョンさんです。
1988年5月16日 プサン広域市生まれで、2023年現在、芸歴9年です。
2007年にモデルとしてデビューし、2014年からは俳優としても活動をスタート。
俳優デビューは、2014年のドラマ「ゴールデンクロス」への出演ですが、2016年に大ヒットしたドラマ「太陽の末裔」への出演で注目を集めます。
元々はプロのボクシング選手を目指していたという珍しい経歴の持ち主ですが、「梨泰院クラス」出演をきっかけに数々のバラエティ番組やCMに出演。一気に人気俳優の仲間入りを果たしました。
「梨泰院クラス」では、初の悪役を見事に演じ切りました。
同級生をいじめたり、セロイの父親をひき逃げしたり、どうしようも無いキャラクターですが、意外と中身は弱かったり、父親の愛に飢えていたりと、憎みきれない要素を上手く演じました。
間違いなく世界中の人がアン・ボヒョンさんを知るきっかけになったドラマです。
パク・ソジュンさん目当てにドラマを見ているうちに、アン・ボヒョンさんのファンになったという人も多かったようで、悪役を演じて人気が上がる俳優も珍しいのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?
以上、悪役でインパクトを残した俳優さんを紹介してきました。
最初から悪役キャラ一本で来たという人は少なく、もともとは善人キャラを演じていた俳優が多いことに驚かされます。
悪役という役柄は、ドラマや映画には欠かせない存在であり、俳優さんの新たな一面を見ることができるのも楽しみの1つですね。
一度見たことがある作品も、角度を変えて見返すのも新鮮かもしれません。
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