芸能界では何らかの理由で、俳優がドラマを降板することはよくあります。
通常は、俳優側の健康上の理由やスケジュールの都合による場合が多いですが、なかにはレアケースですが、制作側の一方的な理由で降板させられる場合もあるようです。
今回は、そんな強制降板させられた俳優5人のケースについてご紹介します。
ホ・ジョンミン「ヒョシム家の各自図生(原題)」
最初にご紹介するのは、俳優兼ミュージシャンとして活躍するホ・ジョンミンさんです。
1982年11月11日 ソウル特別市生まれの43歳(2025年現在)。
1995年放送の「砂時計」で子役としてデビュー。
また2000年から2001年まで、ロックバンド「MOON CHILD」でキーボードを担当していましたが、以後役者に転向します。
これまで、2003年「1%の軌跡」、2004年「兄嫁は19歳」、2007年「京城スキャンダル」、2016年「また!?オ・ヘヨン」、2017年「ゴー・バック夫婦」、2021年「恋慕」など数多くのドラマに出演。
他にも映画やミュージカル、演劇と幅広く活動しています。
そんなホ・ジョンミンさんは、2023年放送のドラマ「ヒョシム家の各自図生(原題)」への出演を控えていた矢先、ドラマを突如降板させられたと、自身のインスタグラムで明らかにしました。
また韓国メディアは、「監督とホ・ジョンミンさんが、一度だけミーティングを行ったのは事実。そして製作陣の議論の結果、キャラクターと俳優イメージが合わないという結論に至り、2週間後にマネジメントに説明」と、KBS側の公式立場を伝えています。
ホ・ジョンミンさんの暴露後、制作側のパワハラなのか、マネジメントとのコミュニケーション不足なのかをめぐり議論がなされましたが、ドラマ制作側が遺憾の意を表明し、ホ・ジョンミンさんがそれを受け入れて事態は一段落しました。
パク・へウン「還魂」
続いてご紹介するのは、「保健教師アン・ウニョン」でデビューした、蒼井優似の女優パク・へウンさんです。1997年9月6日生まれの28歳(2025年現在)。
小学校1年の時に米国に移住し、大学では美術史を専攻したものの俳優志望だったため、2018年に韓国に帰国。
そして2020年のドラマ「保健教師アン・ウニョン」でデビュー。
蒼井優さんや「fromis_9」のチャン・ギュリさんに似ていると言われ注目されました。
その他のドラマ出演としては、2022年「アダマス」や「借りた身体」があり、同年、「ジェントルマン」でスクリーンデビューも果たしました。
そんなパク・へウンさんは、人気作家の作品ということで、放送前より話題となっていた、2022年配信のドラマ「還魂」の主人公に、イ・ジェウクさんと共にキャスティングされていました。
ところが、「ドラマ初撮影後に、パク・ヘウンさんが制作陣と合意の元、降板することが決定した」と報じられます。
しかしその後、「演技力不足を理由に、制作陣側が一方的に降板させた」との疑惑が浮上しました。
パク・ヘウンさんがデビュー作で良い演技を見せていただけに、「演技力不足」という理由には疑問を投げかけるネットユーザーが多かったそうです。
尚、最終的にパク・ヘウンさんがキャスティングされていたムドク役には、人気女優チョン・ソミンさんがキャスティングされています。
ハム・ウンジョン「蒼のピアニスト」
三番目にご紹介するのは、「T-ARA」のメンバーで、演技力にも定評がある女優ハム・ウンジョンさんです。
1988年12月12日 ソウル特別市生まれの37歳(2025年現在)。
幼少期から演技の経験を積み、1995年のドラマ「新世代報告 大人たちはわからない」でデビュー。
その後、2002年の映画「マドレーヌ」、2004年「名家の娘 ソヒ」、「英雄時代」などに出演しました。
また2009年、女性アイドルグループ「T-ARA」のメンバーとして歌手デビューも果たしています。
更に2011年には、映画「ホワイト:呪いのメロディー」で初主演を務めました。
その他、バラエティー番組の出演や、テレビ番組でMCを務めるなど、タレントとしても活躍しています。
そんなハム・ウンジョンさんは、2013年放送のドラマ「蒼のピアニスト」の主演に抜擢されました。
しかし撮影を目前にして、「T-ARA」内の不和やいじめ問題が浮上し、メンバー達は非難されることになり、当然、ハム・ウンジョンさんも「蒼のピアニスト」から降板することが公表されました。
当初は、いじめ騒動の中でも、ドラマ制作発表会に参加するなど、意欲的な姿をみせていたウンジョンさんですが、収まらない騒ぎの中で負担に感じ、最終的に降板を決定したと思われていました。
しかしその後、労働組合より、「彼女の降板は、自主的ではなく強制に近かった」と内容が明るみに出ます。
既に出演の双方合意の契約書が取り交わされていたにもかかわらず、制作陣が出演料の引き下げを要求し、正当な理由なく、ハム・ウンジョンさんに自主的に降板することを要求したことがわかったのです。
イ・サンユン「ブレイン」
四番目にご紹介するのは、ソウル大学出身で頭脳と容姿を兼ね備えたエリート俳優イ・サンユンさんです。
1981年8月15日 ソウル特別市生まれの44歳(2025年現在)。
2000年にソウル大学の物理学科に入学し、在学中に兵役に就くとスカウトを受け、2004年にモデルとしてデビューします。
そして2007年のドラマ「エア・シティ」で俳優デビューを果たし、チェ・ジウさんの相手役を演じて注目を集めました。
また同年のドラマ「憎くても可愛くても」で、韓国放送大賞・新人タレント賞を、更に2010年「楽しい我が家」でMBC演技大賞・男性新人賞を受賞しました。
そして2012年、最高視聴率47%を記録したドラマ「いとしのソヨン」で、ヒロインの夫役を演じて大ブレイクします。
そんなイ・サンユンさんは、2011年公開のドラマ「ブレイン」の主人公にキャスティングされましたが、イ・サンユンさん含めキャスティングに内定していた4人は、主人公の設定より若すぎるという理由で、一方的に降板の通知を受けたそうです。
イ・サンユンさんたちは台本読みまで終えて、撮影日を待っている状態でしたが、一方的な降板通知を受けた上に、主人公役に人気俳優ソン・スンホンさんがキャスティングされたという情報まで明るみになりました。
所属事務所は、契約書作成の仕上げ段階でなかったため、「降板通知を受け入れるしかない」という立場をとりました。
結局、一番有力視されていたソン・スンホンさんもスケジュールが合わず辞退したため、最終的には、シン・ハギュンさんが引き受けたそうです。
パク・イェジン 「怒った顔で振り返れ」
最後にご紹介するのは、無限の可能性を秘めた実力派女優パク・イェジンさんです。
1981年4月1日 ソウル特別市生まれの44歳(2025年現在)。
高校生の時、1999年公開の映画「少女たちの遺言」でデビュー。
同性への愛に悩む女子高生を演じ、各映画祭の新人賞を総なめにしました。
その後2001年のドラマ「四姉妹物語」などで、もの静かでかよわい女性を好演。
そのキャラクターと目鼻立ちのはっきりしたルックスで、多くの男性ファンを獲得しました。
更に2004年の「バリでの出来事」では、ヒロインをいじめるお嬢様を見事に演じ、これまでのイメージを吹き飛ばし、今後が期待されている若手女優の1人と言われました。
そんなパク・イェジンさんは、デビューしてすぐに、2000年放送のドラマ「怒った顔で振り返れ」の主人公に抜擢され、注目を集めました。
しかし、彼女の出演履歴にその作品名は見当たりません。
何故ならそのドラマを不当に降板させられていたからです。
後に出演したある芸能番組で、彼女は「主人公にキャスティングされた後、車内でのシーンを撮影していたが、プロデューサーが演技が気に入らなかったらしく、何度かNGを連発し突然撮影を中断しました」と、当時の様子を明らかにしています。
その後、彼女は再度撮影に入る準備をしていましたが、回りのスタッフが一人づつ消え始め、更には隣の男性主人公までも消えてしまい、自分ひとり撮影現場に取り残されたと告白しています。
パク・イェジンさんは、その出来事がトラウマとなり、長らくスランプから脱することが出来なかったそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
制作側が俳優を降板させた理由というのが、「役のイメージに合わない」とか「演技力不足」など理不尽なものが多いですよね。
一方的な降板通達を受けた俳優は、心に深い傷を残し、キャリアやイメージにも悪影響を及ぼします。
一刻も早くそのダメージから回復し、縁ある作品の中で、生き生きとした演技を見せてもらいたいものです。
コメント