韓国ドラマといえば、ラブロマンスや時代劇、ホームドラマに愛憎劇などが有名ですが、近年流行っているのがファンタジーと復讐ドラマです。
ファンタジーと復讐劇要素が作品の中に盛り込まれていることはこれまでにもありましたが、近年は全編復讐ドラマという作品が人気となっており、ドロドロしたものから痛快復讐劇というものまで様々なタイプの作品があります。というわけで今回は、韓国のおすすめ復讐ドラマをいくつか紹介したいと思います！
2022年末から2パートに分けてNetflixで配信された「ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜」は、高校時代に壮絶なイジメを受けていた主人公が、十数年たち自分をイジメていた者達への復讐をはじめるヒューマンスリラードラマです。
主人公役をソン・ヘギョさん、主人公の協力者をイ・ドヒョンさんとヨム・ヘランさん、主人公をイジメていたグループの主犯格をイム・ジヨンさんとパク・ソンフンさんが演じており、パート1では高校時代のイジメと主人公が16年ぶりにイジメの加害者メンバーの前に姿を表し宣戦布告をする過程を描き、パート2では本格的な復讐劇が描かれていきます。
イジメシーンが凄惨なこともあり見ていて辛くなるという方もいると思いますが、その分復讐劇パートは痛快になっており、パート2に関しては復讐エンタメドラマとして楽しむことが出来ます！
大人になりそれぞれに成功を収めている加害者たちが、過去のイジメ問題により手痛いしっぺ返しを食らうという展開は、現在の韓国芸能界の過去のイジメ疑惑問題を踏襲しているかのようで、近年の復讐ドラマの中でも特に話題となった作品です。
すでにシリーズ第3弾の制作も決定しているという人気作で、韓国の犯罪ドラマでは定番の刑事や検事、弁護士等が主人公になり犯罪を捜査していくドラマとは違った魅力があります。
警察がまともに取り合ってくれない事件や、なかなか相談出来ない内容の事件を秘密裏に解決するという内容で、エピソードごとに潜入捜査をしたり、アクションばりばりの展開になったり、ハッキングや盗聴というようなスパイもののような見せ場があったりと、普通の犯罪捜査ものにはないユニークな展開が魅力です。
特殊部隊出身で天才的な運転技術も持つ主人公役のイ・ジェフンさんのアクションが見せ場ですが、ハッカーやエンジニアという個性的なキャラクターたちが揃ったタクシー会社のチームワークも見どころの1つとなります！
2022年に放送された「財閥家の末息子」は、財閥家に命を奪われた男が記憶を持ったまま財閥家の末息子に転生して財閥家に復讐するという転生復讐ドラマです。
財閥の闇を暴く復讐劇は韓国ドラマ王道の設定ですが、そこに近年アニメや漫画で主流となっている転生要素を加えたという一風変わった作品です。
韓国の苛烈な格差社会や、財閥と呼ばれる一部の富裕層による利益の独占というものは、これまでにも韓国ドラマや映画などで度々描かれてきたものですが、財閥の問題を外部から問いただすのではなく内部から切り崩していくというのが新鮮で、80年代から90年代にかけての韓国の経済や政治の出来事も描かれていきます。
時代の移り変わりにより変わっていくものと、変わらずに存続しているものが同時に描かれているのも特徴で、未来の記憶を持った主人公が過去に転生したことでどんな変化が起きるのかに注目です！
2017年に放送された「キム課長とソ理事」は、復讐劇でありながらスカッと爽快で笑えるというとても見やすい作品です。
当初は大物俳優不在ということでそこまで期待されていた作品ではなかったそうですが、これまでクールでシリアスなイメージがあったナムグン・ミンさんがピンハネが得意なキム課長というコミカルなキャラクターに扮して大ヒットしました！
これまでも売れっ子俳優だったナムグン・ミンさんですが、本作のヒットにより大ブレイクしトップ俳優となり、共演したジュノさんも本作を期にブレイクしています。
その内容は大企業の汚職と横領事件を暴くというもので、内部告発という陰湿になりがちなテーマを扱いながらもコミカルな社会風刺ドラマとなっています。当初は主人公がソ理事に対して復讐を誓うという展開になるのですが、終わってみれば大企業や社会に対する復讐とも呼べる内容になっています！
2017年に放送された「カネの花〜愛を閉ざした男〜」は、大財閥を舞台とした権力争いと復讐劇を描いた作品です。
財閥一家のためにありとあらゆる理不尽な要求を実現してきた敏腕弁護士役をチャン・ヒョクさんが演じ、愛と復讐心との間で揺れる主人公の心情を見事に表現し、その年のMBC演技大賞で最優秀演技賞を受賞しました。
しかし、主人公の弁護士はただ命令に従うだけでなく、自身の家族と人生を奪った財閥一家に復讐するための機会を狙っており、信頼を得たところで大胆に復讐を遂行していきます。ところが、財閥の御曹司のために演出した運命の出会いの相手が主人公を悩ますことになるのです。
同年に放送された「キム課長とソ理事」とはテイストの違う、愛憎渦巻く復讐ドラマです！
2023年にNetflixで配信された「クイーンメーカー」は、政治の世界を裏側から描いたドロドロの社会派復讐ドラマです。
天才広報と人権派弁護士がタッグを組んで市長選に挑むという話で、選挙に当選するためには法律スレスレなことはもちろん、アウトな事も平気でやり合う選挙戦を描いており、2人女性というのも珍しいですが、広報が弁護士を市長にしようとする理由も自分の雇い主だった大企業に復讐するためという邪な理由があります。
このことからも予想出来るように、権力争いはもちろん、政治の世界にある悪事やねつ造、賄賂などドロドロとした争いが描かれており、政治を綺麗事として描くのではなく人間の欲望をテーマとしたような内容になっています。
これが初共演という主演のキム・ヒエさんとムン・ソリさんの存在感も抜群で、政治と財閥の繋がりという韓国の闇も描いています。単純な復讐劇というものではなく、政治や財閥に対する皮肉がたっぷり詰まった作品になっていて、“ナッツ・リターン事件”を彷彿とさせるシーンなどもあります！
2021年放送の「ヴィンチェンツォ」は、イタリアンマフィアの弁護士ヴィンチェンツォをダークヒーローとして描いたエンタメ復讐ドラマです。
“目には目を”というマフィアならではのしきたりを遂行するクールでカッコイイ弁護士をソン・ジュンギさんが演じ、悪名高い財閥と戦う女性弁護士をチョン・ヨビンさんが演じ、2人のロマンスも見どころとなります。
本作は雑居ビルに隠匿されている大量の金塊を入手するために、ヴィンチェンツォがイタリアから韓国へやってきたところからはじまるのですが、その雑居ビルが財閥の手に渡ってしまい、個性豊かなビルの住人たちと共に取り戻そうと財閥と戦いをはじめます。
弁護士が主人公なのに“毒を以て毒を制す”という作戦で挑むのが面白く、ハードボイルドさとコメディ、財閥やマフィアとの抗争と復讐劇がアクションシーン満載で描かれます。二転三転するストーリーも魅力的で、スカッと痛快な復讐ドラマとなっています！
2023年放送の「パンドラ 偽りの楽園」は、記憶を失くしていた殺し屋が自分の人生を壊した者たちへ復讐していく様を描いた作品です。
記憶を失くした殺し屋が主人公という設定は映画などでよく見かけるものですが、本作にはそこに科学技術による能力上昇というSF要素や、他人に人生を操作されていたというスリラー要素、そして殺し屋たちによるアクションに復讐劇まであるマクチャンドラマに仕上がっています。
自分がなぜ記憶を失い、なぜ偽物に作り上げられたのか？誰が何の目的でそんなことをしたのか？という設定は非常に面白く、悪人ばかり登場し誰がいつ裏切ってもおかしくないという展開もドキドキもので、先読みのできないミステリー的な復讐劇なのが持ち味となっています。イ・ジアさん演じる強く美しい主人公も魅力的です！
いかがでしたでしょうか？
復讐ドラマといっても、ドロドロとしたものから痛快なもの、エンタメ要素満載なものなど様々なタイプがあり、個人への復讐を描いた王道作品や、政治や企業に関わる社会派作品、そして復讐劇をコミカルにしたものといった異色作もありますが、あなたはどのタイプが好みですか？