近年ますます勢いを増している韓国ドラマですが、その取り扱いジャンルは広く、韓ドラデビューを考えている人は、何から見ていいか悩みますよね。
そのなかで、「禁断の愛」という言葉に惹きつけられる視聴者も多いはずです。一口に「禁断の愛」といっても、不倫、近親相姦、職場恋愛、教師と生徒、敵同士の恋愛など様々なシチュエーションがあり確かに興味をそそります。
今回は、「禁断の愛」をテーマにした韓国ドラマのお薦め7作品をご紹介します。
最初にご紹介するのは、2018年放送のドラマ「ここに来て抱きしめて」です。
連続殺人犯の息子と被害者の娘という、出会ってはいけない二人の運命的な再会と、切ない愛を描くロマンスリラー。
チャン・ギヨンさんは、本作が初主演ドラマでしたが、MBC演技大賞の男性優秀演技賞とベストカップル賞、またアジア・アーティスト・アワード新人賞に、百想芸術大賞の男性新人賞と総なめにしました。
ナム・ダルムさん演じるユン・ナムは聡明な少年ながら、人知れず殺人を繰り返すサイコパスの、ホ・ジュノさん演じるヒジェを父に持ち、ヒジェの存在に怯えながら暮らしていました。
ある日、国民的女優の娘、リュ・ハンビさん演じるナグォンと出会い恋に落ちます。
しかし、ヒジェがナグォンの両親を殺害したことから、ナムは警察に通報し父を刑務所に送ります。
月日が経ち、チャン・ギヨンさん演じるナムはドジンと名を変え警察官に、またナグォンはチン・ギジュさん演じるジェイとして女優の道に進みます。ある日撮影で警察学校を訪れたジェイはドジンと再会を果たします。
そんな中、服役中のヒジェが手記を出版したことから、二人はマスコミの目にさらされることに。さらにジェイが謎の人物に狙われていると知ったドジンは今度こそ彼女を守ろうと決意しますが、過酷な運命が二人を待ち受けていました。
ロマンスの胸キュンとサスペンスのドキドキが、絶妙なタイミングで交互に来る面白いドラマです。また、演技派俳優ホ・ジュノさんのサイコパス役の演技が圧巻です。
続いてご紹介するのは、2018年放送のドラマ「空から降る一億の星」です。
愛を知らない男に訪れる悲しくも美しいラブストーリー。北川悦吏子さん脚本の大ヒットドラマを韓国でリメイクした作品です。
広告デザイン会社で働く、チョン・ソミンさん演じるユ・ジンガンは、20歳離れた警察官の兄・パク・ソンウンさん演じるジングクと二人で暮らす29歳の独身女性。
ある日、陶芸家の親友・ソ・ウンスさん演じるペク・スンアが開く個展会場を訪れ、怪物と呼ばれた男・ソ・イングクさん演じるキム・ムヨンと偶然出会います。しかし会場で行われるパーティーの準備中にスンアの秘密を知ったムヨンは、その秘密を隠したいと願うスンアの望みを叶え、2人の距離は急接近していきます。
一方、ジングクは、同僚が捜査する事件現場に偶然出くわしますが、飛び降り自殺だと思われたその事件は、実は他殺でした。独自で捜査を始めるジングクでしたが、真実に近づくにつれ事件は思わぬ方向に進んでいきます。
これまでラブコメなど明るい印象の作品が多かったソ・イングクさんが、悲しい運命を背負った愛を知らない男を演じ切っています。凍った心を溶かしていく美しく、温かいラブストーリーと、ハラハラと緊張感が走るサスペンスが見事に融合しました。
三番目にご紹介するのは、2014年放送のドラマ「密会」です。
才能ある20歳の青年と上流階級の人妻が、音楽を通して惹かれ合うラブストーリー。
ソハングループ傘下のアートセンター企画室長、キム・ヒエさん演じるヘウォンは、グループ会長の後妻、シム・ヘジンさん演じるソンスクと、会長の娘、キム・ヘウンさん演じるヨンウとの確執に手を焼きながらも、主催する音楽祭の準備に追われていました。
一方、バイク便で働く、ユ・アインさん演じるソンジェは、ヘウォンの夫、パク・ヒョックォンさん演じるカン教授の依頼で、音楽祭の会場に荷物を届けに来ます。ピアノの音色に誘われてカーテンの隙間から中を覗いたソンジュは、ヘウォンの美しい姿に目を奪われるのでした。
密会、不倫、財閥と、ドロドロ要素満載ですが、描かれるのは美しい音楽と切なくてピュアなラブロマンスです。音楽が効果的に使われ、想像力を掻き立てられるような描写が多いので、思わずハマってしまうドラマです。
四番目にご紹介するのは、2016年放送のドラマ「空港に行く道」です。
愛、仕事、夫婦関係、子育てに悩む30代の男女が繰り広げるヒーリングラブストーリー。
KBS演技大賞で、キム・ハヌルさんが最優秀女優賞を、イ・サンユンさんが優秀演技賞を、そして主演の二人がベストカップル賞を受賞しました。
キム・ハヌルさん演じるチェ・スアは、勤務歴12年目で36歳のベテラン客室乗務員。
しかし仕事と母親の両立は容易ではなく、軍隊出身の厳しい夫、シン・ソンロクさん演じるパク・ジンソクに逆らえず、嫌がる娘ヒョウンを1人で海外留学させることになってしまいます。
娘に対する申し訳なさと辛い気持ちを、誰にも相談出来ずにいたスアの前に、娘の留学先のルームメイトの父、イ・サンユンさん演じるドウが現れます。
主人公が既婚者同士なので、「不倫」といえる間柄なのですが、ドロドロ感はなく、ヒーリング・ラブストーリーといった感じが強いです。
放送当時は、「不倫を美化させる」と非難されましたが、このドラマは夫婦関係にもスポットを当て、女性の母親としての役割や位置づけを考えさせてくれる作品になっており、結果的にかなり高評価を得ました。
五番目にご紹介するのは、2008年放送のドラマ「甘い人生 La Dolce Vita」です。
満たされない愛に溺れる若者たちと、壊れかけの夫婦の4人の危険な関係を描いたミステリーロマンス。
一見、何の不自由も無く暮らしている主婦、オ・ヨンスさん演じるヘジンは、夫の浮気に衝撃を受け、北海道へ自殺の旅へ出ます。そこで知り合ったのは謎の青年、イ・ドンウクさん演じるジュンス。傷を舐め合うかのように激しく求め合った二人は、別々にソウルに戻ります。
実はジュンスは、チョン・ボソクさん演じるヘジンの夫の不倫相手、パク・シヨンさん演じるダヘの恋人でした。ヘジンとジュンスの出会いは、偶然だったのか、それとも必然だったのか。
舞台となった北海道の小樽の綺麗な雪景色にも注目ですが、その緻密なストーリー展開と圧倒的な映像美に、熱狂的なファンが続出しました。謎が少しずつ解明されていく展開が気になり、尻上がりに視聴率が上がっていった作品です。
六番目にご紹介するのは、2016年放送のドラマ「ベビーシッター」です。
ある一人のベビーシッターが、裕福で幸せな家庭を壊すミステリー・スリラー。
裕福な家庭で、優しい夫と可愛い三人の子どもたちと暮らす妻の、チョ・ヨジョンさん演じるチョン・ウンジュ。 そんな幸せに暮らす平凡な専業主婦だった彼女が、残忍な殺人事件の有力な容疑者として警察に追われることになります。
一ヶ月後、彼女は自首しようと決心し、事件の真相を記者の、キム・サンホさん演じるチョ・サンウォンに話します。
主演のチョ・ヨジョンさんは、ラブコメでキュートな女性を演じているイメージが強いですが、本作では、常軌を逸したような雰囲気を醸し出す役を演じており、すっかり演技派となりました。一方の新人女優シン・ユンジュさんも、夫婦の仲を引き裂く不倫相手役を好演しています。
最後にご紹介するのは、2005年放送のドラマ「神様、お願い」です。
愛憎と陰謀の狭間で揺れ動く恋人たちの愛を描いたドラマ。
大物俳優は起用せず、ほとんど新人ながら高視聴率を獲得し、３度も放送回数が延長された驚異の人気ドラマです。
実の親の顔を知らずに育った、ユン･ジョンヒさん演じるジャギョンは、明るく美しい女性に成長し、メイクアップアーティストになります。彼女は、人気俳優のチョ･ヨヌさん演じるチョンハのスタイリストになり交際し始めますが、周囲の反対にあい別れることに。
そんな頃、ジャギョンはニュースキャスターの、イ･テゴンさん演じるワンモと知り合い、しだいに愛し合うようになります。実は、ワンモの育ての母親ヨンソンはジャギョンの実の母でした。
衝撃的なストーリー展開と、魅力的な人物描写が話題となり、回を重ねるごとに視聴率がアップ。全50話の予定が85話に延長となり、最終回は45％という驚異的な視聴率を記録しました。不幸な境遇ながら前向きに生きるヒロインと、そこに降りかかる陰謀、出生の秘密、愛する人との出会いと別れなど、涙なしでは見れません。
いかがでしたでしょうか。
「禁断の愛」は、フィクションとわかっているからこそ、純粋に作品を楽しめるのかもしれません。一方、作り手からすれば、非現実的なテーマだからこそ、作品の質を上げ、成功させるために、より緻密なストーリーの構成や、リアリティ、役者の高い演技力などを追い求める必要があります。
そうしたことから、このテーマの作品には、見ごたえのあるものがたくさん生まれる可能性が高く、是非チェックしてみてください。