ミリオンセラーに達した韓国の少女マンガが原作で、ドラマの最高視聴率28.8%を記録し大ヒットしたドラマ「宮-Love in Palace-」。
「もしも韓国に王室制度が残っていたら…」という奇想天外な設定の中で繰り広げられる美男美女の四角関係を描いた本作は日本のみならず世界23カ国で放送された人気の作品です。
今回はドラマ「宮-Love in Palace-」の解説とともに、出演者たちのその後も併せてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
「もしも現代の韓国に王室制度が残っていたら…」という斬新な設定の本作。
仁化14年=2006年、現皇帝が病を患い、次期皇帝としての地位を固めなければならなくなった皇太子シン。「顔も知らない許婚と結婚するよりは」と、密かに付き合っていた恋人のヒョリンにプロポーズしますが、世界的なバレリーナを目指す彼女に夢を理由に断られてしまいます。
そして自らの意思は無視された政略結婚をすることになります。その政略結婚の相手こそが、この物語の主人公チェギョンだったのです。
父親の借金のせいで最悪の経済危機に陥った、いたって平凡な女子高校生チェギョン。
彼女はシンがヒョリンに想いを寄せていたことを知っていたこともあり、最初は反対しますが借金に悩む家族を救うため、ためらいながらもシンとの結婚を受け入れてしまいます。
結婚相手も決まり、皇帝の後継も安泰かと思われた矢先、シンの従弟で現皇帝の兄の息子ユルがイギリスから帰国します。皇位継承権第二位のユルが帰国したことで、王室内に不穏な空気が流れます。
政略結婚のため、最初はお互いに何も感じていなかったチェギョンとシンですが、少しずつ距離は縮まり夫婦の間に愛が芽生えます。しかし、ユルは同じクラスになったチェギョンのことを好きになり皇位を夢見るように。
また、シンを振ったはずのヒョリンは自分の夢を捨ててまでシンを取り戻そうとしてきます。
チェギョン、シン、ユル、ヒョリンとの四角関係という恋模様に加え、後継者をめぐる陰謀など宮廷を揺るがす大事件が巻き起こったりと、見ごたえたっぷりの王宮ラブロマンスです。
当時新人ばかりを起用したキャスティングは、ファンの間で大論争を巻き起こしたとも言われましたが、結果的には当初20話だった本作がファンからの熱い要望により4話延長放送されるほど大ヒットしました。韓国だけにとどまらない世界的な人気を得た本作は、15年経っても人気の高い作品といえます。
放送前に波紋を呼んだ当時新人だった主要キャスト4人と、そんな新人俳優たちを支えたベテラン俳優陣を加えた、8人の出演者の現在の様子までをご紹介します。
デザイナーになるのが夢で、高校でデザインを専攻している、いたって普通の女子高生から突然王室に嫁ぐことになった主人公。育ちも違い、性格も合わないクールなシンとの結婚生活に悩むも、シンの孤独な内面に気づき、いつしか理解し惹かれていきます。
慣れない宮廷生活、後継者争いに四角関係…さまざまな苦難に悩まされながらも、乗り越えようと努力するチェギョンを演じたのはユン・ウネさんです。
人気アイドルグループ「Baby V.O.X」でアイドル活動をしていましたが、脱退後は俳優をメインとして活動してきました。2015年には中国の人気バラエティ番組『女神のファッション』に出演し、中国での活動を開始しますが、2017年に同バラエティ番組にて盗作騒動を起こして活動を自粛していました。
しかし2年後には韓国にて活動を再開し、現在は女優業の傍ら、YouTubeチャンネル「ウネログin」を開設し、ガールズグループ出身らしくBLACKPINKのカバーダンスや、デイリーメイクとヘアスタイルを紹介する動画は再生回数が100万回を超えるほど人気を集めています。
さらに事務所の後輩バンドであるW24が、2022年4月に発売したフルアルバム『White Album』の収録曲『冬が過ぎて(Song of Songs)』のMVの監督を行いました。
その他、MBCバラエティ番組「遊ぶなら何する?」のWSGワナビープロジェクトに参加し、シソチームのリーダーとして”オアシソ”というグループを引っ張り『Clink Clink』でデビューを果たしました。
一時的に歌手活動をするなどマルチに活躍しています。
彼女のInstagramでもWSGワナビープロジェクトの活動の様子を見ることができます。
アラフォーとは思えないほどの美しく愛らしい姿は必見です。
頭脳明晰な皇帝と美貌の王妃の間に生まれ、知性と美しさを持ち合わせたイ・シン。
はじめは愛のない結婚と相手のチェギョンを拒絶していましたが、次第に彼女に心を開き始め、恋に落ちるツンデレ皇太子を演じたのはチュ・ジフンさんです。
もともとファッションモデルとして活躍し、数々のコレクションに出演していましたが、本作で皇太子役に抜擢され大ブレイクしました。
しかし2008年に大麻を使用していたことが発覚し、韓国中を騒がせます。
逮捕後には合成麻薬を使った疑いで起訴され、判決宣告の後、韓国の軍に特戦士常勤予備役として入隊。
2011年11月に期間終了のため除隊し、芸能界に復帰しました。
復帰後の2012年に出演した映画「私は王である! 』では圧倒的な存在感と高い演技力が多方面で評価され、現在も俳優としてドラマ・映画と様々な人気作品に出演しています。
韓国で大ヒットし、日本でも公開された映画『神と共に』シリーズや第71回カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング公式招待作品の『工作 黒金星と呼ばれた男』では名脇役として存在感を発揮しています。
また、2019年に放送されたNetflixオリジナルのミステリースリラー『キングダム』や、2021年に放送されBTSのジンさんがOSTで参加したことでも話題となった『智異山』では主演も務めました。
今後も精力的な俳優活動が期待されますね。
生まれ持った温厚な性格と博学な知性で誰からも好かれますが、いつしかシンの妻であるチェギョンを愛してしまったことで、たったひとつしかない皇太子の座をシンと争うことになってしまうイ・ユルを演じたのはJohn-Hoonさんです。
John-Hoonさんもユン・ウネさんと同じくアイドルユニット「UN」として歌手活動をしていましたが、2005年にユニットは解散し、その後はソロ活動と俳優活動を行っていきます。
しかし、2011年に韓国ソウル市内で飲酒運転をしたとして道路交通法違反容疑で書類送検されてしまいました。
その後、ドラマやバラエティー番組の出演で復帰。
しかし2019年、恋人関係にあった女性から訴えられる事件が起きてしまいます。女性が妊娠を告げると中絶を強要し、住まいを用意する約束を果たさずに連絡を途絶えてしまったのだとか。結局、女性側が告訴を取り下げたことで終止符を打ちましたが、真相はわからないままです。
2020年に自身のデビュー20周年を迎え、2021年には誕生日を記念したオンラインファンミーティングを開催しました。ファンとの交流を深め、約3年ぶりに新曲『Feel』を発表し歌手としての活動を再開しています。
また、2022年に自身のInstagramにアップされた写真では全盛期と変わらないビジュアルで目を引き、時間の流れを感じさせない魅力をアピールしました。日本のファンクラブも開設されたので、日本でも精力的に活動するのでは?と期待してしまいますね。
容姿、財力、頭脳…何一つとっても完璧な女子高生。世界的なバレリーナを目指す夢のため、元恋人シンからのプロポーズを断ったにもかかわらず、大韓民国の母になりたいという欲望のために宮廷を揺るがすこととなるミン・ヒョリンを演じたのはソン・ジヒョさんです。
現在も女優として活躍する傍ら、2010年から放送されているバラエティ番組「ランニングマン」に出演し続けたり、デビュー20周年を迎えた際は、地下鉄広告やファンからの贈り物と撮った記念ショットと共に感謝の言葉を伝えるなど、飾らない姿で人気を博しています。
また、最近ではショートボブ姿を公開し話題になりましたよね。
目鼻立ちにスッキリとしたあごのラインがクールで大人っぽい雰囲気を際立たせ、洗練された美しさが視線を集めましたが、突然の大胆なイメチェンは「お酒をたくさん飲んでつい自分で…」と驚きの理由を告白し、笑いを誘っていました。かわいらしい性格にファンも増えたのではないでしょうか。
シンとユルの祖母であり、道徳に厳しくもシンとチェギョンの幸せを望む皇太后パクを演じたのは「国民の母」と呼ばれ親しまれるキム・ヘジャさんです。
1980年から2002年まで放送されたMBCドラマ『田園日記』にて演じた役柄をきっかけに「国民の母」と呼ばれるようになり、母親役を確固たるものにしました。
キム・ヘジャさんは80歳となった今も数多くの話題作に出演しています。2019年に出演したJTBCドラマ『まぶしくて』では41歳差のハン・ジミンさんと“2人1役”を演じ話題となりましたよね。
また、2022年4月から放送され韓国で大ヒットし、多くの芸能人がファンだと公言し話題を呼んだtvNドラマ『私たちのブルース』ではイ・ビョンホンさん演じるドンソクの母親役として存在感を示しました。
物語終盤に見せた彼女の演技に涙した人は少なくないのではないでしょうか。
また、プライベートでは海外でのボランティア活動も積極的に行っており、お芝居以外でも温かな「母」の印象を強く感じさせます。
現皇帝でシンの父であり、重い病を患いこの複雑な物語の始まりのきっかけとなったイ・ヒョンを演じたのは、パク・チャンファンさんです。
『宮廷女官チャングムの誓い』や『ホジュン 〜宮廷医官への道〜』など日本でも人気の高い作品に数多く出演してきました。現在もベテラン俳優としてドラマをはじめ、映画や演劇などジャンルを問わず俳優活動を続けています。KBSドラマ『君の歌を聴かせて』では名脇役として、存在感のある演技を見せています。
皇后として王室を守るために冷淡さを見せる一方で、息子を愛し、チェギョンとの関係を見守り続けた愛情深いシンの母・ミンを演じたのはユン・ユソンさんです。
ユン・ユソンさんは俳優のイ・ソンホさんと結婚後、2人の子供を育てながらもドラマに限らず演劇や映画にも出演し数多くの作品で母親役を演じてきました。毎回しっかりとメインキャストの脇を固め、作品ごとに存在感を残しています。
2019年に親友で女優のチョン・ミソンさんが急逝した際には、『ノクドゥ伝』で彼女が演じる予定だったチョン・ヘンス役を引き受け話題となりました。
現在KSTにて放送されている大人気ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』にも出演し、自閉症の男性の母役を熱演しています。また、バラエティ番組にも出演したり、ラジオ出演の際は指ハートを作って見せるなど、飾らずキュートな姿で人気を博しています。
早世した現皇帝の兄の妻でユルの母。後継者争いを防ぐために、息子ユルとイギリスに追放されていました。
息子ユルを皇帝の座に据えるため、王室を揺るがす存在となったソ・ファヨンを演じたのはシム・へジンさんです。
シム・へジンさんは本作をきっかけに母親役が定着し、優しく母性溢れる母親から陰湿で狡猾な毒親まで、さまざまなキャラクターを演じています。
2021年12月から2022年5月までKBS2の夜の毎日ドラマでは、主人公オ・ソリの母親オクヒを熱演しました。
また、これまで大鐘賞や百想芸術大賞など多くの賞で実力を評価されてきましたが、2022年7月に開催された第26回富川国際ファンタスティック映画祭では富川チョイス:機能部門の審査員にも選ばれています。
プライベートでは、2007年に結婚した一般人の旦那様と3000坪の豪邸で生活し、公私ともに充実しているようです。
今回は、15年ぶりにリメイクされることが決定した『宮-Love in Palace-』に出演していた主要キャスト8人の現在をまとめてみました。
スキャンダルを経験した方もいましたが、ほとんどの出演者が俳優業をメインに今でも活躍していましたね。
韓国だけでなく日本でも大人気を博したドラマであっただけに、日本の韓流ファンからも大きな関心が寄せられている本作。リメイク版の続報にも注目が集まりますが、その前に『宮-Love in Palace-』をもう一度見返してみるのはいかがでしょうか。
合わせて読みたい