数多くのスター俳優を生み出してきた「応答せよ」シリーズや、サブキャラクターとして出演していた俳優の中から人気者が数多く生まれている「賢い医師生活」シリーズ、この2つの人気シリーズにはある共通点があります。
それはどちらもケーブルチャンネルtvNで放送され、シン・ウォンホ監督とイ・ウジョン脚本家コンビによる作品だということです。
そんなシン・ウォンホ監督が「応答せよ」シリーズの後に手掛けたのが今回紹介する「刑務所のルールブック」です。
今回はどんな作品なのかや出演者についてご紹介していきます。
2017年に放送されたこのドラマは、刑務所の中の人々の日常を描いた笑って泣ける名作ヒューマンドラマとして知られています。
刑務所が舞台と作品と聞くと、刑務所内で起きる犯罪や事件解決のための潜入捜査を描く作品などを思い浮かべる人が多いかと思いますが、本作は基本スター野球選手から犯罪者へと転落した主人公が刑務所生活に適応していく様を描いたドラマであり、そんな環境の中で再起を目指す話となっています。
囚人や刑務官などが皆個性的かつ魅力あふれるキャラクターなのも見どころで、犯罪者をただの悪人として描くのではなく、様々な事情から犯罪を犯してしまった1人の人間として描いているのがポイントとなります。
そんな犯罪者たちが、刑務所内でも腐らずにプロ野球選手として再起しようと頑張る主人公の姿に触発される姿も描かれるなど、群像劇としてもとても面白い作品となっているんです。
あらすじ
メジャーリーグ契約のために数日後にはアメリカに発つ予定となっていた韓国のスター野球選手キム・ジェヒョク。ところがそんな中、何者かに妹が襲われている場面に出くわしたジェヒョクは、妹を助けようと犯人と取っ組み合いとなり重症を負わせてしまったのです。
ファンや世間からはジェヒョクに同情する声も挙がりましたが、犯人が脳死状態となったことから過剰防衛だと判断され刑務所に収監されてしまいます。
一夜にしてヒーローから犯罪者となってしまったジェヒョクは、刑務所内で様々な葛藤に苛まれながらも日々の生活や人との出会いを通して成長し、再びプロ野球選手として活躍することを目指し努力を続けて行きます。
出演者の現在
名作ドラマ「刑務所のルールブック」に出演していた俳優が現在どのような活躍をしているのか紹介していきたいと思います。
パク・ヘス
主人公のプロ野球選手キム・ジェヒョク役を演じたのは、「イカゲーム」出演で世界的にも知られることとなったパク・ヘスさんです。
人と会話することも恋愛も苦手で、唯一得意な野球でスーパースターとなったジェヒョクは、正義感が強く心優しい人物です。
しかし、その正義感により妹に乱暴を働こうとした悪人を常人離れした力で撃退してしまい、その結果悪人に重症を負わせてしまうのです。
この犯罪に対する対応が正しかったのかやりすぎだったのかも見どころの一つです。
ジェヒョクは寡黙なキャラクターであるためパク・ヘスさんの表情演技とたまに発する言葉がとても印象的で、それまで舞台を中心に活動してきたパク・ヘスさんはこの出演により一気に知名度が高まることとなります。
これ以降、映画やドラマの主要キャストに起用されるようになり、2021年の「イカゲーム」を筆頭に、「ナルコの神」や「ペーパー・ハウス・コリア：統一通貨を奪え」といった世界的にヒットしたNetflix作品に出演するまでになります。
これ以降も、映画「PHANTOM／ユリョンと呼ばれたスパイ」や、2024年公開予定のNetflix映画「大洪水」など、現在も精力的に活動されています。
クリスタル
ガールズグループ「f(x)エフエックス」のメンバーであるクリスタルさんが演じるのは、ジェヒョクの元恋人で医大生のキム・ジホです。
キャラクターが刑務所内に居る人物でないため、ヒロインの割には登場回数が少ないのですが、幼い頃よりジェヒョクと仲が良く、気持ちのすれ違いから別れることとなった現在も心の支えとなっている人物であり、未だにお互いを想い合っています。
そんな二人が再び結ばれるのかどうかにも注目が集まりました。
これまでにドラマ「相続者たち」や「僕には愛しすぎる彼女」「ハベクの新婦」などに出演し女優としても人気となったクリスタルさんは、本作出演以降も「プレーヤー〜華麗なる天才詐欺師〜」「サーチ〜運命の分岐点〜」「警察授業」「クレイジーラブ」と出演作が相次いでいます。
そんなクリスタルさんの最新作は、カンヌ国際映画祭にも招待されたソン・ガンホさん主演映画「クモの巣」です。
チョン・ギョンホ
「賢い医師生活」シリーズにも主人公の1人として出演しているチョン・ギョンホさんが演じたのは刑務官のイ・ジュノです。
ジュノとジェヒョクは高校まで一緒に野球をしていた幼なじみですが、怪我により野球をやめジェヒョクとも疎遠になっていました。
しかし、刑務官として働いていたジュノはジェヒョクが収監される刑務所に移りジェヒョクの生活のサポートをする相棒的キャラクターです。
チョン・ギョンホさんといえば、名作「ごめん、愛してる」や「犬とオオカミの時間」など若くしてスターとなった人気俳優で、以降も主演俳優として数多くのドラマや映画に出演してきました。
近年はドラマ「ライフ・オン・マーズ」「賢い医師生活」シリーズ、「イルタ・スキャンダル -恋は特訓コースで-」、映画「狎鴎亭（アックジョン）スターダム」などに主演するなど未だ高い人気を誇ります。
チョン・ウンイン
見るからに悪役な印象の刑務官ペン部長役を演じるのは悪役イメージの強いチョン・ウンインさん。
そのイメージと口の悪さから、この人が悪い刑務官という決めつけを最初はしてしまうのですが、実は口は悪いけど受刑者とも真剣に向き合う優しい人物です。
この「騙された！」と誰もが感じるキャスティングは実に見事で、チョン・ウンインさんがこれまでどんな役柄を演じてきたか知っている人こそ騙されてしまいます。
出演作は数多くありますが、ドラマ「君の声が聞こえる」での殺人鬼役は特に印象に残っています。
本作のように悪役以外を演じる機会も増えたチョン・ウンインさんですが、近年のドラマ「昼に昇る月」や「胸ぐらを一回つかまれましょう」では得意の悪役を演じています。
ソン・ドンイル
「応答せよ」シリーズの父親“ソン・ドンイル”役でおなじみのソン・ドンイルさんは、本作では刑務官チョ主任役を演じています。
人当たりが良く善人のように思いますが、実は拘置所で不正を行っている悪徳刑務官なんです。
悪役イメージが強いチョン・ウンインさんが善人を演じ、善人役が多いソン・ドンイルさんが実は悪役というのはこのドラマ序盤の山場となっています。
そんな驚きのキャスティングをされたソン・ドンイルさんは、「応答せよ」シリーズ以外にも「カプトンイ」「大丈夫、愛だ」「青い海の伝説」など数多くの作品に出演しており、映画「探偵なふたり」シリーズではクォン・サンウさんと共に主演を務めています。
パク・ホサン
詐欺師カン・チョルドゥ役を演じているのは、本作で注目されドラマ「マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜」「ペントハウス」シリーズなどで知られるパク・ホサンさんです。
喋り方に特徴があるチョルドゥは、女にだらしがなく家族そっちのけで詐欺賭博をしていた人物で、あることをきっかけに父親としての自覚が芽生えます。
今や数多くの映画やドラマに引っ張りだこの名バイプレイヤーとなったパク・ホサンさんの最新作はNetflixドラマ「終末のフール」です。
カン・スンユン
窃盗罪で服役しているジャンバルジャンことイ・ジュヒョン役を演じるのは、アイドルグループWINNERのリーダー、カン・スンユンさんです。
ジュヒョンは監房のボスであるミンチョルのことをアボジ（親父）と慕う愛されキャラなんですが、途中でミンチョルを裏切ることとなり、二人の関係がどうなるのかは終盤で明らかになります。
本作で本格的に演技に挑戦したカン・スンユンさんは、この後もドラマ「カイロス」や「ボイス4」などに出演し、現在は2023年6月より兵役に就いています。
チョン・へイン
最後に紹介するのは御存知チョン・ヘインさん！今や名実ともに韓国を代表する人気俳優の一人となったチョン・ヘインさんですが、ブレイクのきっかけとなったのがこのドラマの出演なんです。
以前にも、映画の主演やドラマ「応答せよ1988」のカメオ出演、「トッケビ」「あなたが眠っている間に」といった人気ドラマに脇役として出演していました。
しかし本作の中盤から登場する部下を殺害した罪で収監された元陸軍大尉ユ・ジョンウ役を演じたことで人気となり、初主演ドラマ「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」で大ブレイクします！
ジョンウの登場によりドラマの空気感自体も変わり、彼が濡れ衣を着せられたのではないかと調べる展開も見どころとなります。そして、ジェヒョクがトレーニングする際の手助けもするなど、中盤以降の中心人物となるキャラクターです。
以降も「ある春の夜に」「半分の半分 〜声で繋がる愛〜」「D.P -脱走兵追跡官」「スノードロップ」「コネクト」と立て続けに主演する人気俳優となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
今回紹介した以外にも、ジェヒョクが慕う兄貴的存在ミンチョル役のチェ・ムソンさんや、常に変な言動をする麻薬中毒者ハニャン役のイ・ギュヒョンさん、真面目な横領罪受刑者パクサ役のチョン・ミンソンさんといった元々知名度のあった方も出演しています。
またこれがドラマデビュー作となったトルマニ役のアン・チャンファンさん、本作出演で注目を浴び現在映画やドラマに多数出演しているヨンチョル役のキム・ソンチョルさんなども印象的な主要キャストの1人として出演しており、とても見ごたえある作品ですので、まだ観ていない方は是非ご覧になってください。
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