2014年に放送され、名作と名高い韓国ドラマ「ミセン」。
韓国サラリーマンのバイブルと称されるWebコミックが原作のこのドラマは、お仕事ドラマの決定版として、全世代の共感を呼び、「ミセンシンドローム」と呼ばれる社会現象を起こすほどの大ヒットとなりました。
今回はそんな「ミセン」の出演者7名の現在についてご紹介します。
このドラマは、囲碁のプロを目指していた主人公チャン・グレが囲碁の道を諦め、社会人としての経験が何もないままにコネで商社に入社するところから始まります。
タイトルになっている「未生(ミセン)」とは、囲碁用語で「死に石に見えても、完全な死に石ではなく、まだどちらに転ぶか分からない状態」のこと。
主人公が、社会の荒波にもまれながらも、生き返った状態の石「完生(ワンセン)」になるべく、奮闘する姿が描かれたドラマです。
大きな壁に打ちのめされながらも、最初は何も出来ないチャン・グレが成長していく姿に多くの視聴者が共感。
また、それぞれに悩みを抱えた同期たちや、不器用だけど真っ直ぐな上司など、魅力的な登場人物もみどころのひとつです。
「記憶喪失」や「財閥」など、韓国ドラマの定番設定は出てこず、仕事を通して成長する登場人物のリアルな姿が描かれたこのドラマは、その年の多くのドラマ賞を受賞。
韓国のみならず、日本でも「名作」と評価が高く、2016年には日本でもリメイク作品「HOPE~期待ゼロの新入社員~」が放送されました。
ここからは、「ミセン」に出演していた7人の現在を紹介します。
「ミセン」への出演をきっかけにブレイクした若手俳優から、韓国ドラマに欠かせないベテラン俳優まで、「ミセン」が大ヒットした理由のひとつである魅力的なキャラクターを演じた7人は、現在どのような活躍をしているのでしょうか。
早速みていきましょう。
最初にご紹介するのは、主人公チャン・グレを演じたイム・シワンさんです。
経験ゼロで総合商社に入社した新入社員を、リアリティたっぷりに演じ、チャン・グレが成長していく姿に自分を重ね胸を熱くした方も多いのではないでしょうか。
イム・シワンさんはアイドルグループ「ZE:A」のメンバーとして、芸能界デビューしました。
現在はメンバーそれぞれが別の事務所に所属し、個人での活動が中心になっていますが、解散はしておらず、現在も「ZE:A」の一員です。
イム・シワンさんは、2012年のドラマ「太陽を抱く月」への出演をきっかけに俳優として注目されるようになりました。
このドラマで、主人公の兄の少年時代を演じたイム・シワンさんは「演技が出来るアイドル」である「演技ドル」として注目を集めます。
「ミセン」への出演で「演技ドル」として確固たる地位を築いたイム・シワンさんは、その後、2019年の「他人は地獄だ」、2020年の「RUN ON~それでも僕らは走り続ける」などのドラマで主演を務めています。
最近では映画にも精力的に出演し、北川景子さん主演の日本の映画「スマホを落としただけなのに」の韓国版リメイクや、2022年8月公開の「非常宣言」に出演。
「非常宣言」は航空テロを描いた作品で、ソン・ガンホさんやイ・ビョンホンさんなど、豪華出演者たちと共演して大ヒットし、日本でも2023年1月に公開予定です。
主人公チャン・グレの同期であり、同期の中では唯一の女性であるアン・ヨンイを演じたのはカン・ソラさんです。
「女性」ということで悔しい思いをすることも多く、見ていてとてももどかしい気持ちになりましたよね。
カン・ソラさんは2009年に女優デビューしました。
2011年に韓国で大ヒットした映画「サニー 永遠の仲間たち」で主人公の友人の少女時代を演じ、一躍有名に。
同年に出演したバラエティ番組「私たち結婚しました」では、SUPER JUNIORのイトゥクさんと仮想夫婦を演じ話題となりました。
「ドクター異邦人」や「ミセン」で主要キャストを務めたのちに、2015年の「幸せのレシピ~合言葉はメンドロントット~」や2017年の「ピョン・ヒョクの恋」ではヒロインを演じています。
かつてヒョンビンさんと交際していたこともあるカン・ソラさんですが、2020年に漢方医の男性と結婚。
2021年には第一子となる長女を出産しています。現在は女優としてのお仕事をセーブしているようですが、
インスタグラムではしばしば近況を報告しており、出産後もかわらぬ美しさで話題を集めています。
次にご紹介するのは、チャン・グレの同期チャン・ベッキを演じたカン・ハヌルさんです。
エリート思考が強く、最初は学歴ゼロでコネ入社のチャン・グレを馬鹿にしていましたが、様々な経験を通して、同期との絆を深めていく姿が印象的でしたね。
カン・ハヌルさんは高校生のときにオーディションに合格し、ミュージカル俳優としてデビューしました。
デビュー後はミュージカルを中心に活躍していましたが、2012年のドラマ「花ざかりの君たちへ For You Full Blossom」や
2013年の「相続者たち」に出演したことをきっかけにブレイクし、軸足をテレビにうつしています。
2019年に出演した「椿の花咲く頃」では、ヒロインに恋をする田舎町の警察官を演じ、ヒロインを演じたコン・ヒョジンさんと共にKBS演技大賞のベストカップル賞を受賞。
それだけでなく、百想芸術大賞などの主要なドラマアワードを受賞し、「椿の花咲く頃」は2019年最大のヒットドラマとなりました。
優しい印象の役柄を演じることの多いカン・ハヌルさんですが、主演を務めた2022年の映画「パイレーツ:失われた王家の秘宝」では、豪快でワイルドな海賊船の一員を演じています。
また2022年10月から放送が開始されるドラマ「カーテンコール」にも出演予定です。
チャン・グレの同期ハン・ソンニュルを演じたのはピョン・ヨハンさんです。
悪い上司にあたり、仕事へのモチベーションがあがらない様子のソンニュルに同情した方も多かったのではないでしょうか。
明るい性格だったソンニュルが暗くなっていく姿は、なんとも見ていて悲しくなってしまいましたね。
ピョン・ヨハンさんは映画を中心に活躍してきた実力派俳優です。
本格的な俳優デビューは2011年の映画「土曜勤務」になりますが、無名時代にも何十本ものインディーズ映画に出演していたのだとか。
「ミセン」への出演をきっかけに注目を浴びたピョン・ヨハンさんは、翌年にはドラマ「六龍が飛ぶ」、
2018年には「ミスターサンシャイン」など、注目の作品で主要キャストを務めました。
2022年に公開した映画「閑山:龍の出現」は、公開15日で観客動員500万人を超える大ヒットに。
自身のインスタグラムに、ユニークな写真とともに感謝を伝える投稿をし話題になりました。
またソン・ガンホさんが初めてドラマに出演することで話題の「サムシクおじさん」への出演も決定しています。
次に紹介するのは、チャン・グレが配属された営業第3チームの課長オ・サンシクを演じたイ・ソンミンさんです。
不器用ながらも情に厚く不正を許さない性格で、「理想の上司」として、放送当時話題となりました。
イ・ソンミンさんは芸歴30年を超えるベテラン俳優です。
元々は演劇を中心に活動しており、2001年には全国演劇祭最優秀演技賞を受賞するほどの実力の持ち主。
2010年のドラマ「パスタ~恋が出来るまで~」で、コン・ヒョジンさん演じる主人公が働くレストランの社長を演じたことで、知名度があがりました。
その後「ミセン」への出演をきっかけにブレイクしたイ・ソンミンさんは、その年の百層芸術大賞で男性最優秀演技賞を受賞。
2018年に出演した映画「工作」では、カンヌ国際映画祭に訪問したり、
大鐘祭映画祭男優主演賞を受賞するなど、遅咲きではありますが大ブレイク中の俳優です。
現在では、主演も助演も演じることのできる韓国ドラマにはなくてはならない存在として活躍しています。
チャン・ベッキが配属された鉄鋼1チームの上司カン・ヘジュンを演じたのは、オ・ミンソクさんです。
退職を検討するチャン・ベッキは、へジュンとのやりとりを通し、この会社で頑張ることを決意します。
愛想はありませんが、しっかりと部下のことをみており、その着実な仕事ぶりが、オ・サンシクとは違うタイプの理想の上司として話題になりました。
オ・ミンソクさんは、2006年ドラマの「マイウェイ~これが私達の生きる道〜」で俳優デビュー。
その後なかなか良い役に恵まれず、10年ほど無名時代を過ごします。
しかし、「ミセン」のヒットでその演技力が認められたオ・ミンソクさんは、「ミセン」の翌年には「キルミー・ヒールミー」や
「お願い、ママ」など話題の作品に主要キャストとして出演。
2022年にはヒットドラマ「紳士とお嬢さん」の続編「ヒョンジェは美しい」に出演し、このドラマは最高視聴率29.4%のヒットとなりました。
最後にご紹介するのは、オ・サンシクの同期のキャリアウーマン、ソン・ジヨンを演じたシン・ウンジョンさんです。
会社でキャリアを築きながらも、家庭との間で葛藤する姿が印象的でしたね。
シン・ウンギョンさんは演劇出身の女優で、1992年から演劇を中心に活動。
その後、2000年ごろからドラマに活動の場をうつしています。
注目されるきっかけとなったのは、2007年のドラマ「太王四神記」への出演です。
のちに、このドラマで恋人役を演じたパク・ソンウンさんと結婚し、長男をもうけています。
2021年の「ナビレラ」や、2022年の「内科パク院長」などに出演し、安定のある演技力でストーリーを盛り上げました。
またバラエティ番組にパク・ソンウンさんと長男の3人で出演するなど、
公私ともに順風満帆な様子がうかがえます。
いかがでしたか?
今回は「ミセン」に出演していた7人の現在についてご紹介しました。「社会人のバイブル」と言われる人気ドラマだけに、「ミセン」への出演をきっかけにブレイクし、活躍を続けている出演者が多いことが分かりましたね。