皆さんは日本語が堪能な韓国芸能人と言われて誰が思い浮かぶでしょうか?
日本の音楽番組やバラエティにもよく出演していた東方神起や少女時代のスヨンさんなどはそのイメージが強いと思うんですが、実はアイドル以外にも作品内やインタビュー等で日本語を披露している俳優は意外と多く、調べてみると日本に住んでいたことがある方も沢山いるようなんです!
ちなみに少女時代のスヨンさんは、バラエティ番組「ASAYAN」のオーディション企画で合格し、2002年から2003年までアイドルデュオ「route0(ルート・ヨン)」として日本で活動した経験があるため日本語が堪能なんですが、当時は小学生にして1人で日韓を行き来しながら活動していたそうです。
そういうわけで今回は、日本に住んでいたことがある韓国俳優7名を紹介したいと思います。
ドラマ「SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜」や「還魂」シリーズといった大ヒット作に出演するオ・ナラさんは、大学で演劇や舞踊、大学院でミュージカルを専攻しています。
その後、ソウル芸術団という韓国固有の伝統芸術を披露する劇団に所属していた女優です。
初舞台はミュージカルで、その後もミュージカルを中心に活動していました。
ここまではよく聞く話ですが、実はその後、日本の劇団四季からスカウトされ、2001年から2004年まで所属していたため日本語が堪能なんだそうです。当時は全く日本語が話せなかったそうですが、日本滞在中に必死に勉強しわずか2年で習得したんだとか。
そんな努力もあって、劇団四季では2001年から約3年間ミュージカル「マンマ・ミーア」などに出演し活躍していたようです。
そして、2008年にテレビドラマデビューを果たしてからは、ドラマや映画で活躍するようになり、数多くの作品に出演する名バイプレイヤーとして知られるようになります。
オ・ナラさんが劇団四季に入団したのは、初めて韓国の俳優を対象としたオーディションが行われた時で、実は韓国芸能人として初めて劇団四季の舞台に立った方なんです。
ちなみに、当時、初めての海外生活をサポートしてくれた関係者とは今でも連絡を取り合っている仲だそうです。
「彼女の私生活」や「クレイジーラブ」などのキム・ジェウクさんがブレイクするきっかけとなった作品といえばドラマ「コーヒープリンス1号店」です。
その時彼の存在を知らなかった人はあまりにも流暢に日本語を話すことから日本人かと勘違いしたほどでした。
それほどネイティブな日本語を話すキム・ジェウクさんは、当初は日本語を話せる役柄を演じることが多く「悪い男(赤と黒)」や「メリは外泊中」などでも同様に日本語を披露していました。
当時キム・ジェウクさんは、役柄が固定されることを危惧していたそうですが、アジア全域で活躍する金城武さんのようになる道を目指し邁進してきたようです。
そもそもキム・ジェウクさんはなぜこんなに日本語が流暢なのか?それは、キム・ジェウクさんの父親の仕事の関係で生後間もなく来日し、それから小学校に上がる時期まで東京に住んでいたという経験があったからなんです。
その後は、留学などを除けば韓国で学生生活を送ったそうで、高校2年生のときにはモデルとしてデビューし、同時にバンド活動も始めたそうです。
このように、幼少期を日本で過ごしたことでネイティブに近い日本語を話せるキム・ジェウクさんですが、その実力はドラマや映画のみならず、2023年11月26日にBSフジで放送された紀行番組「大人のソウル!1泊2日の弾丸ツアー」でも披露されていました。
この番組に特別出演しソウルを案内したキム・ジェウクさんは、子供の頃に見ていた“とんねるず”の木梨憲武さんと共演し通訳なしに会話をしていました。
ポン・ジュノ監督の「オクジャ/okja」や、ファン・ジョンミンさんとイ・ジョンジェさん主演の映画「ただ悪から救いたまえ」、ソン・ヘギョさんとチャン・ギヨンさん主演のドラマ「今、別れの途中です」などで知られるチェ・ヒソさんも日本語が堪能だったことから注目された女優です。
小学校2年生の頃から5年間大阪で暮らしたというチェ・ヒソさんは、俳優デビュー後8年間は無名だったそうです。
たまたま舞台のセリフを練習中に「王の男」や「ソウォン/願い」などで知られるイ・ジュニク(イ・ジュンイク)監督から声を掛けられ、日本語が堪能だったことから監督の映画に出演することになります。
その作品はカン・ハヌルさんとパク・ジョンミンさん主演の「空と風と星の詩人 尹東柱(ユンドンジュ)の生涯」であり、この作品で日本人大学生役を演じることになります。
更に、監督の次作「金子文子と朴烈(パクヨル)」で金子文子役を演じ初主演を飾ったチェ・ヒソさんは、この演技が高く評価され新人賞を総なめにしたことで人気女優の仲間入りを果たすことになります。
のちに、日本語が堪能ということで韓国のバラエティ番組で是枝裕和監督と対面する機会を得たチェ・ヒソさんは、「金子文子と朴烈(パクヨル)」を見た監督から「日本語が上手だ」と褒めてもらったそうです。
映画「金子文子と朴烈(パクヨル)」で在日韓国人弁護士役を演じて注目されたキム・ジュンハンさんは、2012年より俳優デビューしたという遅咲きの俳優です。
元々は“izi”というバンドのドラマーとしてデビューしたキム・ジュンハンさんは、2005年ドラマ「快傑春香」の音楽を担当し、ドラマ自体も注目されたことで順調に活動しますが、兵役を期に脱退し俳優に転向します。
俳優に転向後は、映画「軍艦島」「ハーストーリー」などで日本語を使う役に多く起用され評価を得ますが、日本語が堪能なのはバンドとして日本で活動する機会があったからなんだとか。
残念ながら韓国ではバンドがあまり盛んではなく、演奏出来る場所や機会も少ないそうです。
そして所属事務所とのトラブルもあり、日本へ活動場所を移すことになったことで日本語を学び始めることになります。
本人曰く「それほど日本語がうまいわけではなく、一人旅後出来る程度」と謙遜しているようですが、作中では変な訛もない日本語を披露しています。
そんな映画での活躍もあり、ドラマ「刑務所のルールブック」「ある春の夜に」「賢い医師生活」といった人気作にも出演する人気俳優となりました。
「家門の栄光」「神様、お願い」といった大ヒットドラマにいくつも出演するユン・ジョンヒさんは、ミスコリア出身で2000年代にいくつもの作品で主演を務めた女優です。
2015年に結婚し、それからドラマ「今、別れの途中です」で女優復帰するまで7年間芸能界から距離を置いていたユン・ジョンヒさんですが、それ以前にも女優活動を休止していた時期がありました。
それは、女優活動開始をしてからすぐのことで、当時所属していた事務所からパワハラを受けたことで精神的に追い詰められた結果、事務所を辞めて日本に短期語学留学をしていたことがあるそうです。
どのくらいの期間だったのかや、日本語がどの程度話せるのかは不明ですが、そこから返り咲いたのはすごいですね!
「私の名前はキム・サムスン」「女の香り」「品位のある彼女」など、数多くの代表作で知られるトップ女優のキム・ソナさん。
高校卒業後に渡米し、モデルを経て女優となった彼女もまた日本で暮らしていた時期があるそうです。それは中学1年から高校卒業までという約6年間で、家族とともに移住し東京の調布に住んでいたんだとか。
そんな学生生活を日本で過ごしたこともあり日本語は堪能で、作中で日本語を披露した機会はドラマ「ラブ・トレジャー〜夜になればわかること〜」くらいですが、来日する際に通訳が同席しなくても問題ないレベルだそうです。
インタビュー以外にも、自身の作品を日本語で紹介したり、解説したりといったものがレンタルショップの無料DVDや特典映像として見られるようです。
現在日本で活躍中のシム・ウンギョンさんは、映画「サニー永遠の仲間たち」や「怪しい彼女」といった大ヒット作で知られる演技派女優です。
元々は主人公やヒロインの幼少期役を演じる常連子役として人気でしたが、その後19歳で主演した映画「怪しい彼女」が特大ヒットとなり、一気にトップ女優の仲間入りを果たします。
その後は映画を中心に活躍し、2019年頃より日本でも活動するようになり、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した映画「新聞記者」や、映画化もされたドラマ「七人の秘書」、「100万回言えばよかった」など多数の日本作品に出演しています。
途中、久々の韓国ドラマ「マネーゲーム」をはさみますが、現在の拠点は日本のようですね。
しかし、韓国で主演クラスであり、ヒット作も数多くあるシム・ウンギョンさんがなぜ現在日本を拠点にしているのか?
それは、元々日本映画が好きで、特に岩井俊二監督の「リリィ・シュシュのすべて」や、是枝裕和監督の「誰も知らない」がお気に入りで、いつか日本で活動したいという想いがあり、2016年頃より日本語の勉強をし、韓日を行き来しながらオーディションも受けていたそうです。
一方で、以前出演したトーク番組「A-Studio+」に出演した際には、X-JAPANやLUNA SEAといったビジュアル系バンドが好きだったと語り、自身もバンドをやりたいと話していました。そんな彼女の希望が叶ったのがNHK連続ドラマ「群青領域」で、主演として5人組バンド「Indigo AREA」のキーボード役に扮しています。
いかがでしたでしょうか?
今回紹介した方のほとんどが数年単位で日本に暮らしていたそうですが、その間に仕事につながるレベルまで日本語が上達したというのは凄いことですよね!
特に子供の頃に暮らしていた方たちはイントネーションがネイティブに近く、やはり語学は幼少期に学ぶのが習得しやすいということなんでしょうか。