韓国ドラマには、よく財閥が登場します。
その理由としては、視聴者の憧れや非日常を描きやすいこと、そして財閥という存在がドラマの舞台設定やキャラクター設定を豊かにするためなどが挙げられます。
そして財閥という特殊な階級を舞台に、愛憎劇、復讐劇、成功物語などが展開される点が視聴者を惹きつけます。
そこで今回は、財閥をテーマにしたロマンスから復讐劇まで、お薦めできる8作品をご紹介します。
最初にご紹介するのは、韓国で2013年に放送された「キレイな男」です。
外見だけが取り柄のキレイな男が、10人の女性達から「ビジネス成功のノウハウ」を学び、実力で成功を目指すサクセスストーリー。
チャン・グンソクさん演じるマテは、毎回ファッションやヘアスタイルを変えながら、女性たちの心をわしづかみに。
また大富豪の女性を「壁ドン」で骨抜きにしたり、「鼻キス」をしたり、思わず女性視聴者がドキドキするアプローチが満載です。
そして、キレイな心を持つ、IUさん演じるヒロインとマテの恋の進展、さらにイ・ジャンウさん演じるダビデとの胸キュン三角関係にも大注目です。
しかし本作が、ただの美男ドラマと思ったら大間違いです。
マテが財閥会長である父に会うべくミッションをクリアしていく展開には、「人を動かす本当の魅力」を見つめ直す成長物語としての面白さがあり、男として内面を輝かせていくグンソクさんの変身演技に惹き付けられます。
続いてご紹介するのは、韓国で2016年に放送された「ショッピング王ルイ」です。
交通事故で記憶喪失になった財閥の御曹司を、無一文の田舎娘が面倒見るというコメディタッチなストーリー。
MBC演技大賞では、優秀演技賞を含め三冠を獲得した大ヒットドラマです。
ワンコ系と称される可愛さのソ・イングクさんや、キュートで可愛らしいナム・ジヒョンさんをはじめ、
紳士でユーモアたっぷりのユン・サンヒョンさん、かわいくて面白いイム・セミさんなど、個性あふれるキャラクターが集まりました。
ナム・ジヒョンさん演じるボクシルと、ソ・イングクさん演じるルイのコンビももちろん面白いですが、ルイとユン・サンヒョンさん演じるジュンウォンのコンビも負けていないぐらいの名コンビです。
個性的な二人の掛け合いは、本当に面白いシーンばかりで、コントみたいで笑いが止まりません。
さらにぜひ見ていただきたいのは、漫画のようなアニメーション演出です。
登場人物に尻尾が生えたり、背景にハートや花火が飛んだりといったアニメーションを使った演出が工夫されています。
三番目にご紹介するのは、韓国で2023年に放送された「マイデーモン」です。
冷徹で悪魔のような財閥令嬢と、一瞬で能力を失ってしまった「悪魔」が契約結婚をして繰り広げられるファンタジーラブコメディ。
甘いルックスとスタイルで人気のソン・ガンさんが、初めてラブコメ作品に出演することで話題となりました。
役づくりで10kgほど減量し、甘いルックスと対照的な肉体美を披露しています。
色白でシャープな人間離れした美しさは、デーモンにぴったりです。
また可愛らしい役の印象が強いキム・ユジュンさんも、冷徹な財閥令嬢役によって新たな魅力を開花させています。
本作は、キャストのビジュアルの魅力を最大限に引き出した見どころたっぷりの作品で、うっとりするような世界観とスピーディーなストーリー展開に思わず引き込まれます。
またラブコメディでありながらも、ファンタジー要素に財閥家の陰謀やサスペンス要素もあり、重厚なストーリーも魅力です。
四番目にご紹介するのは、韓国で2021年に放送された「紳士とお嬢さん」です。
妻を亡くし三人の子供の父親である大企業の会長と、住み込み家庭教師のヒロインを中心に展開されるラブコメホームドラマ。
本作品は、さまざまな年齢層の視聴者に愛され、最高視聴率39%を記録し、KBS演技大賞で大賞を受賞しました。
多くの登場人物が複雑に絡み合う人間関係や、実母との葛藤、記憶喪失など、韓国ドラマではお馴染みの要素がテンポよく繰り広げられます。
20年前の韓国ドラマによくある展開ですが、それをさらに凝縮したのが本作品と言えます。
やや古臭さはあるものの、続きが気になって止まらない展開になっています。
五番目にご紹介するのは、韓国で2013年に放送された「相続者たち」です。
逃れられない宿命を背負った若者たちの甘く切ないラブストーリー。
イ・ミンホさんとパク・シネさん主演の大ヒットドラマで、SBS演技大賞では、最優秀演技賞(イ・ミンホさん)ほか9冠を獲得しています。
イ・ミンホさんは「花より男子」に続き、財閥の御曹司を演じたことで、「御曹司系イケメン俳優」の印象を強くしました。
本作品は、主演がイ・ミンホさんとパク・シネさんというだけでもかなり豪華ですが、脇を固める共演者の豪華さに驚きます。
キム・ウビンさん、パク・ヒョンシクさん、キム・ジウォンさん、カン・ハヌルさん、カン・ミンヒョクさん、クリスタルさんは、現在ではいずれも主演級のトップ俳優となっています。
今では韓国ドラマに必要不可欠な実力派俳優となった彼らが、高校生として若さ溢れるエネルギッシュな演技を見せてくれる本作品は、「若いってやっぱり素敵だな」と、過ぎ去った青春を思い出させてくれます。
六番目にご紹介するのは、韓国で2016年に放送された「THE K2 」です。
傭兵出身のボディーガードが、大統領候補の隠し子を守るために戦うアクションラブロマンス。
このドラマは複雑な物語のように見えますが、実は「白雪姫」がベースとなって作られているそうです。
継母に苛められる白雪姫はアンナ、白雪姫を魔女から守り眠りから目覚めさせる王子様はジェハ、白雪姫に嫉妬する魔女はユジンとなります。
本作の見どころは、なんといってもチ・チャンウクさんのアクションシーンです。
通常、危険を伴うアクションシーンや爆発シーンはスタントマンを立てることが多いのですが、チ・チャンウクさんは代役を立てずに全てを自ら演じました。
まるで映画のような爆発シーン、格闘シーンが目白押しで迫力の凄さに圧倒されます。
七番目にご紹介するのは、韓国で2022年に放送された「財閥家の末息子」です。
ある財閥一家に殺された主人公が、その一家の末息子に転生して二度目の人生を歩む復讐ファンタジー。
ソン・ジュンギさんとイ・ソンミンさん主演で、同名ウェブ小説を実写化し、2022年の韓国ドラマの中で最も高い視聴率27%を獲得しました。
時空を超えるファンタジードラマでありながらも、原作は実在する財閥「サムスン」をモデルに書かれています。
韓国経済に影響を及ぼした近代史が、うまくドジュンの復讐ストーリーに組み込まれているのがおもしろいところです。
何層にも練られているドジュンの復讐劇に、見ているこちらまで何度も騙されてしまいます。
最後にご紹介するのは、韓国で2011年に放送された「赤と黒」です。
自分の人生を滅茶苦茶にされた男による、巨大財閥グループへの壮絶な復讐劇。
スタンダールの同名小説にヒントを得た復しゅう劇で、NHKが初めて取り組んだ日韓共同制作ドラマです。
カリスマ的な魅力で物語を引っ張るのは、復讐に燃える主人公シム・ゴヌクを演じたキム・ナムギルさん。大ヒット時代劇「善徳女王」のピダム役で一躍ブレイクしたのち、ドラマ初主演作として選んだのが「赤と黒」。
大人の男の色気を漂わすシャープなルックスが役柄にぴったりです。
一方、そんなゴヌクが敵と狙う財閥グループの後継者ホン・テソンを演じるのは、「コーヒープリンス1号店」でクールなワッフル王子を好演したキム・ジェウクさん。
モデル出身の都会的な雰囲気を武器に、愛に飢えた御曹司役に挑戦しています。
これまでとは違う一皮剥けた演技で新たなファンを獲得しました。
いかがでしたでしょうか。
今の日本には財閥が存在しないため、それをテーマにしたドラマを見ることがなく、韓国の財閥系ドラマには思わず好奇の目で見入ってしまいますね。
とにかく韓国財閥系ドラマの面白さは、権力闘争や複雑な人間関係に、主人公の心理描写など多層的な要素が絡み合う点にあります。
今後もこのようなドラマは数多く制作されるでしょうから、継続してチェックしていきましょう。