日本でも大人気の韓国ドラマですが、役者さんの演技力に魅了される方も多いのではないでしょうか。主役だけでなく助演陣の演技力にも感心させられますよね。
ドラマにおいては、欠かせない重要人物な助演俳優たち。
今回は「主役より人気が出てしまった助演俳優」を5人ご紹介します!
ここからは、主役より人気が出てしまった助演俳優と作品をご紹介していきます。
制作側が取った行動にも注目です。
はじめにご紹介するのは、2007年に韓国SBSで放送された「完璧な恋人に出会う方法」で注目を集めたパク・シフさんです。
「完璧な恋人に出会う方法」は、近所の奥様方から人気な大学講師役のキム・スンウさん、彼の近所に住む女性秘書役のペ・ドゥナさん、建設会社の御曹司役のパク・シフさん、そして社長令嬢役のワン・ジヘさんの4人の男女がひとつの街で繰り広げる奇想天外なラブストーリーです。
性格も社会的立場も異なる4人の男女の完璧な恋人探し、ここに殺人事件や会社の陰謀が絡み、物語は意外な展開へ進んでいきます。
パク・シフさんは、容姿も性格もパーフェクトな御曹司でありながら、失恋によりアルコール依存症になってしまう過去を持つ複雑な役を演じ、多くの視聴者を釘付けにしました。
主役はキム・スンウさんですが、パク・シフさん演じるユ・ジュンソクの紳士的でありながらも、少しツンデレで、気難しいけど優しいというキャラクターが大変人気を得ました。
視聴者の反応により、物語の中盤ではパク・シフさんのセリフが大幅に増え、いつの間にかペ・ドゥナさんとパク・シフさんの恋愛が中心になっていきました。
パク・シフさんは、繊細な演技が評価され、SBS演技大賞ではニュースター賞を受賞しました。
この作品の脚本家であるチョン・ジウ作家は、パク・シフさんのことを気に入り、2008年韓国SBSドラマ「家門の栄光」で再びタッグを組みました。
次にご紹介するのは、2014年に韓国MBCで放送された「私のチャンボリ!」で注目を集めたイ・ユリさんです。
「私はチャンボリ!」は、実の娘と養女という立場の変化により、極度の葛藤状況に置かれる2人の娘と2人の母親を描いたドラマです。
愉快・爽快・痛快なチャン・ボリ役をオ・ヨンソさんが、ボリと対立するヨン・ミンジョン役をイ・ユリさん、検事から染色の伝授者となるイ・ジェファ役をキム・ジフンさん、グループの確実な後継者になるためミンジョンと結婚するイ・ジェヒ役をオ・チャンソクさんが演じました。
この作品で、イ・ユリさんは冷酷非情で、野心のために嘘を重ねて生きる悪女の役をかなりリアルに演じています。
注目された点は、主役のボリに対して行うミジョンの徹底した悪事です。
ミンジョン演じるイ・ユリさんの狂気的な振る舞いや、執着心で壊れていく姿は視聴者の目を奪うものがあり、物語をとても盛り上げてくれました。
放送当時、チャン・ボリよりは、ヨン・ミンジョンが主人公のようだ…という声も聞かれました。
イ・ユリさんの驚くほどの演技により、ヨン・ミンジョン役でしばらく悪女のイメージが定着しました。
主役ではないですが、ダブル主演と言っても良いほどのインパクトを視聴者に与え、「私はチャンボリ!」は最高視聴率37.3%を記録しました。
数々の賞を受賞した「私はチャンボリ!」ですが、MBC演技大賞では、オ・ヨンソさんとイ・ユリさんが共に候補に上がりました。
視聴者の投票で大賞受賞者を選ぶという形で行われた投票には、71万2300人が参加し、イ・ユリさんは半数近くの計38万5434票を獲得しました。
主演オ・ヨンソさんより高い票数を獲得し、見事、大賞を受賞しました。
次にご紹介するのは、2009年に韓国MBCで放送された「善徳女王」で注目を集めたコ・ヒョンジョンさんです。
「善徳女王」は、朝鮮半島で初の女性統治者となった新羅第27代王・善徳女王の生涯をフィクションを交えて描いた時代劇です。
砂漠で育ったトンマン役のイ・ヨウォンさんは得体の知れない刺客に襲われ、母を失い、生い立ちを知るために新羅の都にひとりで向かいます。
やがてチョンミョン王女役のパク・イェジンさんや少年ユシン役イ・ヒョヌさんと出会い、宮廷で絶大な力を持つ先帝の愛人・ミシル役のコ・ヒョンジョンさんと対決することになります。
天真爛漫だったトンマンが、ミシルとの対決を通じて成長し、やがて朝鮮半島初の女王になる物語が壮大なスケールで描かれています。
全62話、波瀾万丈なストーリーと演技力のあるキャストが話題になり、視聴者の心をつかんだ大ヒット歴史ドラマです。
韓国はもちろん、日本でも人気を博した「善徳女王」ですが、視聴者たちの関心を大きく引き付けた理由のひとつとして挙げられるのが、主人公トンマンのライバルである悪女ミシルの存在です。
コ・ヒョンジョンさんの演技力が圧巻で、片側の眉を上げて相手をじっと見つめる目や声色で、微妙な感情の変化を表していました。「愛は惜しみなく奪うものだ」などのセリフも話題になり、ミシル語録まで生まれたほどです。
ドラマを見た人のなかでは、主役をコ・ヒョンジョンさんと思っている人もいるぐらい圧倒的な存在感で、「善徳女王」はコ・ヒョンジョン演じるミシルがいなければ成立しないドラマだったのではないでしょうか。
「善徳女王」は、MBC演技大賞で11冠王、視聴率は40%を超え、話題の中心になったドラマでした。
主役のイ・ヨウォンさんも最優秀賞を受賞しましたが、コ・ヒョジョンさんは2009年のMBC演技大賞で名誉ある大賞を受賞しました。
主人公を飲み込むほどの人気で、当時の韓国には”悪女ブーム”が湧きあがりました。
次にご紹介するのは、2008年に韓国MBCで放送された「エデンの東」で注目を集めたイ・ヨニさんです。
「エデンの東」は、貧しいイ・ドンチョル役のソン・スンホンさんとイ・ドンウク役のヨン・ジョンフンさんが、幼少時代に死に追いやられた父の復讐を誓いながら成長していきます。
しかし、ドンチョルは、ある陰謀により罠にはめられ、少年院に送られることになります。
1960年から現在に至る激動の現代史を背景に、同じ日、同じ時間、同じ病院で生まれた2人の男のすれちがう運命と愛と復讐の物語です。
イ・ヨニさんは、カジノ業界のボスの一人娘役ヨンランを演じました。
経済的にも裕福に育てられますが、母親のいない環境に情緒的不安定な側面を持つキャラクターでした。
当時、視聴者からはイ・ヨニさんに対し、「ぎこちない演技によりセリフがきちんと伝わってこない。ドラマに没頭できない」という意見もありましたが、ドラマの中盤以降は「少女的なイメージを捨て、カジノのボスの娘として成熟していく過程を演じる」と演技への期待を促しました。
ドンウクの大学の同級生、財閥の娘ミン・ヘリン役をイ・ダヘさんが演じており、当初ドンチョルとドンウクとの三角関係が予定されていた話もありますが、主要キャラクターとして出演しているイ・ダへさんが、突然ドラマ降板を表明します。
製作陣と出演者との間でのドラマを巡る意見調整が難航していたようです。
ドラマが進行するにつれてイ・ダヘさんのセリフが少なくなっていき、最終的にソン・スンホンさんとイ・ヨニさんとのラブラインで物語は進んでいきました。
話題性と完成度の高さから最高視聴率32.3%を記録し、50話完結ながらも急遽6話延長が決定されました。
イ・ヨニさんは2018年MBC演技大賞の人気賞、新人賞、ソン・スンホンさんと共にベストカップル賞を受賞しました。
次にご紹介するのは、2012年に韓国MBCで放送された「ゴールデンタイム」で注目を集めたイ・ソンミンさんです。
「ゴールデンタイム」は、救急救命現場を舞台に、未熟な自分と葛藤しながら努力し続ける医者たちが繰り広げるメディカルヒューマンドラマです。
医大卒業後、臨床講師として楽に暮らしてきた主人公をイ・ソンギュンさん、医者一族に育った新人インターンをファン・ジョンウムさん、熱き外傷外科医をイ・ソンミンさんが演じました。
この作品でイ・ソンミンさんは、優れた手術の腕と豊富な経験、冷静な判断力をもち、国内でも数少ない重症外傷患者の手術をできる専門医を演じ、人気を博しました。
なかでも、亡くなった患者を抱いて走ってきたイ・ソンギュンさんに向かって「まさか死亡宣告ができなくて僕を呼び出したのか?」と怒鳴る場面では「イ・ソンミン」という俳優の価値を再発見させてくれました。
これまで演じてきたキャラクターとは異なり、新たな一面を見せたことも注目を集めた要因です。以前はコミカルなキャラクターが多かったのですが、「ゴールデンタイム」では登場するだけで存在感を放ちました。
放送当初、同時間枠の視聴率最下位からスタートしたにもかかわらず、イ・ソンミンさんをはじめとする役者の好演で、ドラマは瞬く間に評判になり、第5話以降は視聴率1位を独走しました。話数も延長されたほか、シーズン2を要望する声も多くあがりました。
イ・ソンミンさんはMBC演技大賞2012で「放送3社ドラマPDが選んだ今年の演技者賞」、第25回グリメ賞で「最優秀男優賞」、APAN STAR AWARDSで「男性演技賞」を受賞しました。
いかがでしたか。
今回は、主役より人気が出てしまった助演俳優をご紹介しました。
助演俳優の圧倒的な演技力は、時には主役より目立ってしまうことも!
視聴者の反応や視聴率によって、展開や分量が変わるのも韓国ドラマの醍醐味ですよね。
面白いドラマばかりですので、ぜひご覧ください!