韓流ブームのきっかけとなった韓国ドラマ『美しき日々(2001年)』は、イ・ビョンホンさんやチェ・ジウさん、リュ・シウォンさんなど今となっては大スターと呼ばれる豪華キャストによる話題作です。
今回はそんな名作ドラマ「美しき日々」についてご紹介していこうと思います。
「美しき日々」は、韓国で「冬のソナタ」より前の2001年に放送され最高視聴率35.9%を記録した大ヒットドラマです。
日本でも興行収入10億円を超えるヒットとなった映画「JSA」の主演であるイ・ビョンホンさんと、「冬のソナタ」のヒロインでもあるチェ・ジウさんという日本での知名度が高い二人が共演した作品で、同作に出演したリュ・シウォンさんが日本でブレイクするきっかけとなった作品でもあります。
その上、デビューしたばかりのシン・ミナさんや、ブレイク前のソン・ドンイルさん、そしてオム・ジョンファさんも本人役として登場するなど豪華なキャスティングとなっています。
そんな本作は、音楽業界を舞台とした社長一族の骨肉の争いと、4人の若者たちの愛と夢を描いたドラマです。
大手レコード会社の御曹司ミンチョル、孤児院で育ったヒロイン・ヨンス、ヒロインを巡って三角関係となる御曹司の異母弟ソンジェ、そんなソンジェに片思いをするヨンスと同じ施設出身のセナ。この4人の若者たちが過酷な運命に翻弄されながらも、愛し合い、傷つけ合い、それでもそれぞれの夢を求めて懸命に生きていく姿が描かれていきます。
本作はリュ・シウォンさんやイ・ジョンヒョンさん、ZEROさんなどが手掛けた音楽も話題となり、それぞれが日本で活躍し高い人気を得ました。そして2005年には主要キャストが参加した「美しき日々コンサート」が東京国際フォーラムで開催されています。
孤児院育ちの心優しい女性ヨンスは、高校卒業後に絵の勉強をするためソウルへ上京します。
そんなヨンスが妹のように可愛がっていた同じ孤児院育ちのセナも歌手を目指して上京するのですが、すれ違いとなり会えずじまいとなってしまいます。
それから2年後、美大生となったヨンスは、学費を稼ぐために休学をしてはアルバイトをするという日々を繰り返していました。そんなある日、ヨンスの親友であるナレから紹介されたアルバイト先のレコードショップで、万引き犯に落ちぶれたセナと再会を果たします。
セナの変貌ぶりに責任を感じたヨンスはセナの夢を叶えるために奔走するのですが…。
一方、韓国トップのレコード会社「ビクトリーレコード」の御曹司で企画室長のミンチョルは、新人歌手を発掘するために忙しい日々を送っていました。超エリートとして知られるミンチョルでしたが、家族関係は冷え切っており、亡き母を裏切った父親や異母弟のソンジェと継母のミョンジャのことを憎んでいました。
そんなミンチョルにも唯一心を許したミンジという妹がいましたが、父親のソンチュンがソンジェばかりを可愛がるため、ミンジもまた継母とソンジェを嫌いわがまま放題に…。そんなヨンスとミンチョルはひょんなことから知り合い、次第にミンチョルはヨンスに好感を抱くようになります。
そして、ヨンスの身の上と絵の才能を知ったミンチョルは、ヨンスがミンジの家庭教師として住み込みで働くことを条件に、ミンチョルはセナの夢を叶えるために協力することを提案します。
一方、ヨンスはミンチョルとソンジェの両方から想いを寄せられ困惑することに…。
デビュー以来第一線で活躍し続けるイ・ビョンホンさんは、デビュー後すぐに青春スターの代名詞として知られるようになり、映画「JSA」やドラマ「美しき日々」「オールイン運命の愛」などのヒットにより日本で“韓流四天王”の一人として有名となりました。
出世作となった本作では、クールで近寄りがたい雰囲気をまとった主人公ミンチョルを演じていますが、妹思いな一面もありそのギャップがこのキャラクターの魅力となっています。
「オールイン運命の愛」以降は映画メインの活躍となり、2009年の「G.I.ジョー」でハリウッド進出も果たします。
その後も、数多くの大ヒット作に出演し続けているイ・ビョンホンさんですが、2024年1月公開の最新映画「コンクリート・ユートピア」ではクールでスタイリッシュなキャラクターは封印し、何の取り柄もなかった男が極限な状況で権力を手に入れたことで豹変していく様を演じています。
日本では「冬のソナタ」のチョン・ユジン役や「天国の階段」のハン・ジョンソ役で有名なチェ・ジウさんは、1994年にデビューし1996年のドラマ「初恋」で広く知られることとなります。
その後主演映画「オルガミ〜罠」で新人賞を受賞し、ドラマ「美しき日々」「冬のソナタ」「天国の階段」と出演作が軒並みヒットし“涙の女王”と称されるように。
本作でチェ・ジウさんが演じるヨンスは、両親を亡くして孤児院で育った幸薄なヒロイン役を演じています。
才能はあるものの貧しさゆえに苦労し、人の良さから周りに振り回される展開などは、正に韓国ドラマ王道のヒロイン像そのものです。
その後も数多くの映画やドラマに出演してきたチェ・ジウさんの最新作は2023年11月に韓国で公開された映画「ニューノーマル」です。
俳優・歌手活動に加えて1997年よりプロカーレーサーとしても活躍したリュ・シウォンさんは、本作でのブレイクにより日本でも大活躍し人気を得た俳優です。
そんなリュ・シウォンさんがこの作品で演じているのは、母の再婚と共にミンチョルの義弟となったソンジェです。母想いで優しい性格ですが、イ家の仲が冷え切っているのは自分の存在が原因と罪悪感を抱いています。
本来はミュージシャンになりたかったソンジェですが、義父に反対され医大に進学することに。
当時の人気は凄まじく、リュ・シウォンさんがその年発売したアルバム「約束」は20万枚以上を売り上げるヒットとなり、2005年の日本レコード大賞では大衆賞を受賞しています。
俳優としても日本のドラマやCMに多数出演し、韓流スターの中でも最も身近な存在となりました。
高校生の時に女優デビューし、歌手としても「テクノの女王」とも呼ばれているイ・ジョンヒョンさん。
韓国のみならず日本や中国でも活躍し、本作出演により日本での人気が高まり2004年末にはNHKの紅白歌合戦に出場しました。
そんなイ・ジョンヒョンさんが本作で演じたのは歌手志望のセナです。
ヨンスと共に孤児院で育った妹分で、一度はヨンスと離れ離れになり荒んでしまいます。しかし、ヨンスとミンチョルの助けもありもう一度歌手を目指すことに。
歌手としてのイメージの方が強いイ・ジョンヒョンさんですが、女優としても数多くの演技ヨン・賞を受賞しており、ベルリン国際映画祭の短編部門で金熊賞を受賞したパク・チャヌク監督の「波乱万丈」や、青龍映画賞の主演女優賞を受賞した映画「誠実な国のアリス」、サンホ監督のヒット作「新感染半島 ファイナル・ステージ」にもヒロイン役として出演しています。
さらに、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したパク・チャヌク監督の映画「別れる決心」では、パク・ヘイルさん演じる主人公の妻役として出演しています。
そして、2023年にはTV番組で大勢のトップスターたちが出席した自身の結婚式映像を公開し話題となりました。
モデルとしてデビューし、2001年に映画「火山高」と本作で俳優デビューしたシン・ミナさん。
この作品ではイ・ビョンホンさんの妹役として出演していますが、最新ドラマである「私たちのブルース」ではイ・ビョンホンさんの相手役として出演し大きな話題となりました。
そんなシン・ミナさんは、ミンチョルの妹ミンジ役として出演しています。
父の後妻であるミョンジャとソンジェを憎み、実兄であるミンチョルだけを頼りにしているわがままお嬢様で、ミンチョルにとって心配の種となっています。
ちなみにシン・ミナさんの最新作は韓国で2023年12月6日に公開される映画「3日の休暇」となります。
イ・ジョンギルさんは韓国ドラマの父親役や会長役としてお馴染みのベテラン俳優です。
「IRISアイリス」や「プラハの恋人」など複数の作品で大統領役を演じている俳優としてもお馴染みです。
本作でイ・ジョンギルさんは、ミンチョルの父でビクトリーレコードの社長イ・ソンチュン役を演じています。ミンチョルとミンジの母親は死別しており、再婚相手となるのがミョンジャであり、その息子がソンジェとなります。
これまで数多くの作品に出演してきたイ・ジョンギルさんの最新作は、チャン・ギヨンさんの父親役を演じたドラマ「今、別れの途中です」です。
「イヴのすべて」「火の鳥」「オンエアー」といったヒット作でメインキャラの母親役として出演しているイ・ギョンジンさん。
本作ではソンジェの実母でミンチョルとミンジの義母チャン・ミョンジャ役として出演しています。
ミンチョルの母親の死後にソンチュンと再婚したミョンジャも夫を亡くした経験があり、その亡き夫の死が後半のストーリーに大きく関わってきます。
そんなイ・ギョンジンさんの最新作は三姉弟の母親役を演じたドラマ「三姉弟が勇敢に」です。
いかがでしたでしょうか?
「美しき日々」に出演したメインキャストたちは今も第一線で活躍している方たちばかりです。
見たことがある方もそうでない方も、ぜひこれを機に見て欲しいドラマです。