韓国ドラマといえば、王道のラブコメ、身分差や悪縁に苦しむロマンス、家族ドラマに愛憎劇、権力闘争に刺激的なサスペンスといったものが有名ですが、今回紹介する「39歳」は“シスターフッド”作品と呼ばれる女の友情を描いたドラマとなっています。
最近だとアラサーの酒飲み友達の恋と仕事と家族問題をコミカルに描いた「酒飲みな都会の女たち」シリーズが人気となりましたが、「39歳」は人生の岐路に立ったアラフォー女性たちを主人公としたヒューマンドラマとなっています。
39歳はどんなドラマ?
「39歳」は2022年2月16日より放送された3人のアラフォー女性たちを主人公とした恋愛ヒューマンドラマです。日本で一大ムーブメントとなったドラマ「愛の不時着」に出演したことで、韓国を代表する女優として広く知られる事になったソン・イェジンさんが約2年ぶりに主演を務めた作品としても注目され、Netflixで配信され“今一番泣ける”ドラマとしても話題になりました。
ドラマ「それでも僕らは走り続ける」を共同演出したキム・サンホ監督と、ドラマ「ボーイフレンド」や「離婚弁護士シン・ソンハン」などを手掛けたユ・ヨンア作家によるドラマで、
ユ・ヨンア作家が手掛けた現代女性の生きづらさを描いた映画「82年生まれ、キム・ジヨン」の“女性としての生き方を考え直す”というテーマと近いものがあります。
女性たちが主人公の作品の多くは、男尊女卑問題や社会人として生きる上での女性ならではのマイナス面が描かれることが多いですが、本作の場合は友人や家族といった身近な人との問題が描かれていて、女性でなくとも共感できます。
そんな物語の一番の軸となるのは、“長年の大親友が余命わずかだと分かった時、あなたは残された大切な時間をどう過ごすのか?”というものです。
“終活”をテーマにした作品は数多くありますが、それをサッドエンドのドラマとして描くのではなく、そんな時に自分や周りの人たちは別れとどう向き合うのかというものになっています。
韓国ドラマならではの展開や見ていて辛くなる要素もありますが、基本は温かい家族ドラマや素晴らしい友情ドラマを描いている感動作品です!
そして、恋愛要素が控えめに描かれている点も特徴で、恋愛と友情、家族との関わりが同じ位重要なものとして扱われているのが印象的です。
あらすじ
高校時代より仲良しのチャ・ミジョ、チャン・ジュヒ、チョン・チャニョンの3人は、嬉しいことも悲しいことも一緒に乗り越えてきた20年来の親友です。
現在、ミジョはソウルで皮膚科医として成功し、ジュヒはデパートでコスメコーナーのマネージャー、チャニョンは演技コーチとして働いているのですが、ミジョが40歳を目前にして1年間だけアメリカにゴルフ留学に行くと言い出します。
一方、チャニョンは10年間も続く不倫関係を整理するようにミジョに小言を言われ、恋愛経験ゼロのジュヒは近所の中華料理店の店主に心をざわつかせていました。
そんな中、彼女たちの人生に予想もしていなかった悲しい出来事が襲ってきて…。
そんな名作ドラマの出演者たちについてご紹介していきたいと思います。
出演者について
それでは「39歳」に出演している主要メンバーについてご紹介していきましょう。
ソン・イェジン(チャ・ミジョ)
1999年にCMモデルとしてデビューしたソン・イェジンさんは、映画「ラブストーリー」「私の頭の中の消しゴム」、ドラマ「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」「愛の不時着」などで知られる韓国のトップ女優です。
ブレイク前のソ・ジソブさんやチソンさん、クォン・サンウさんらも出演したドラマ「おいしいプロポーズ」のヒロインとしてデビューし、その後も映画「永遠の片想い」「ラブストーリー」「君に捧げる初恋」「私の頭の中の消しゴム」「四月の雪」などで立て続けに主演し軒並み演技賞を受賞します。
そしてユン・ソクホ監督による“四季シリーズ”の一作「夏の香り」でもヒロインに起用され、その人気によりソン・イェジンさんは“国民の初恋”と呼ばれるようになります。
その後は大ヒット映画「パイレーツ」「ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女」、主演女優賞を受賞した「荊棘の秘密」などに出演し、昨今の韓国ドラマブームの火付け役であるドラマ「愛の不時着」の大ヒットにより日本でも絶大な人気を獲得します。
そして映画「ザ・ネゴシエーション」、ドラマ「愛の不時着」で共演したヒョンビンさんと2022年2月10日に結婚し、11月27日には第一子となる男児を出産されています。
そんなソン・イェジンさんが本作で演じているのは、39歳の皮膚科医チャ・ミジョです。
裕福な家庭で育ち江南に皮膚科医院を開業したクールな女性ですが、実は7歳のときに今の家庭の養子となった過去があります。
優しい両親や姉から愛されて育ちましたが、持病のパニック障害が悪化していることもあり、ゴルフ留学と称して1年間休養を取ることを計画しています。
キム・ジヒョン(チャン・ジュヒ)
2004年に初舞台に立って以降、演劇とミュージカルを中心に活躍してきたキム・ジヒョンさん。
ドラマへの出演は2018年の「空から降る一億の星」から活発となり、その後は「ジャスティス-復讐という名の正義-」「工作都市〜欲望のワルツ〜」などに出演し人気となりました。
そんなキム・ジヒョンさんが演じているのは、ミジョの親友チャン・ジュヒ39歳。
ジュヒはデパートのコスメコーナーでマネージャーをしているのですが、実は恋愛経験ゼロの小心者です。
ジュヒは臆病な性格が邪魔をしてこれまで恋愛をしたことがなかったのですが、中華料理店の社長兼シェフのパク・ヒョンジュンと出会ったことで心がざわつくようになります。
ミジョとチャニョンの二人と比べると一歩引いた印象があるものの、3人組の中でイジられ役というポジションをとても上手く演じています。
そんなキム・ジヒョンさんの最新作は、2023年11月27日よりDisney+を通じて配信されている日本の同名ドラマをリメイクしたドラマ「愛していると言ってくれ」です。
チョン・ミド(チョン・チャニョン)
長年演劇やミュージカル俳優として活躍し、2020年にドラマ「賢い医師生活」でドラマ初主演を果たしたチョン・ミドさん。
そうそうたる俳優陣がそろったメインキャストの中、唯一の女性キャストとして注目を集めると一気にブレイクします。そしてシリーズ化された「賢い医師生活」に続いて出演したのが「39歳」なんです。
そんなチョン・ミドさんが本作で演じているのは、ミジョのもう一人の親友チョン・チャニョン39歳。
元々は俳優を目指していましたが、事故に巻き込まれその機会を失ってしまいました。
その当時から付き合っていたジンソクとは、ジンソクが他の女性と結婚した今でも関係が続いていて、ジンソクが開業した芸能事務所で演技指導を行っています。
ヨン・ウジン(キム・ソヌ)
初主演ドラマ「恋愛じゃなくて結婚」や「離婚弁護士は恋愛中」「法廷プリンス−イ判サ判−」などの代表作で知られるヨン・ウジンさんは、2013年のドラマ「男が愛する時」でソン・スンホンさんのライバル役を演じて注目された人気俳優です。
それ以降も、パク・ミニョンさん、イ・ドンゴンさんと共演した「七日の王妃」や、チ・ジニさんとキム・ヒョンジュさん主演の「アンダーカヴァー」、IUさんと共演した映画「夜明けの詩」などに出演しています。
そんなヨン・ウジンさんが本作で演じているのは皮膚科医のキム・ソヌ39歳。
高校時代に移住したアメリカで医師となりしばらく生活していましたが、母が亡くなった後に突然消えてしまった養子の妹ソウォンを探すため韓国へ帰国してきます。
そして養護施設でボランティア中のミジョと出会い恋に落ちることに。
現在は2023年11月3日より配信中のNetflixシリーズ「今日もあなたに太陽を〜精神科ナースのダイアリー〜」に出演中です!
イ・ムセン(キム・ジンソク)
2020年の大ヒットドラマ「夫婦の世界」のユン技役で注目を集めたイ・ムセンさんは、それ以前も数多くの作品にバイプレイヤーとして出演してきましたが、ブレイク以降はメインキャストとして起用されるようになり、現在はいくつものドラマに引っ張りだこな人気俳優となりました。
そんなイ・ムセンさんが本作で演じているのは、芸能事務所「チャンプエンターテイメント」代表キム・ジンソクです。後輩のミジョを通してチャニョンの恋人となり結婚を考えるまでの仲になるのですが、家族から反対された上に自身の事故でチャニョンに怪我をさせたことに責任を感じ、別れを告げて留学してしまいます。
その後出会った女性ソンジュと結婚し一児のパパとなりますが、それでもチャニョンのことを愛しており長年不倫関係を続けています。
イ・ムセンさんの「夫婦の世界」以降の出演作には、「静かなる海」「クリーニング・アップ」「ザ・グローリー」などがあり、2023年12月9日より放送がスタートするイ・ヨンエさんとの共演ドラマ「マエストラ」や、
2024年にはイ・ボヨンさんとの共演作「ハイド」、チュ・ジフンさんとハン・ヒョジュさん主演のドラマ「支配種」などの公開が控えているなど非常に忙しいようです。
イ・テファン(パク・ヒョンジュン)
ユ・イルさん、ソ・ガンジュンさん、コン・ミョンさん、カン・テオさんらが所属するイケメン俳優5人で構成されたグループ「5urprise(サプライズ)」のメンバーとして知られるイ・テファンさん。
2013年に俳優としてデビューして以来、「江南ロマン・ストリート~お父様、私がお世話します!?~」「黄金の私の人生」「キム秘書はいったい、なぜ?」「暗行御史:朝鮮秘密捜査団」といった人気作品に出演してきました。
本作では常連のジュヒと親しくなる小さな中華料理店の社長パク・ヒョンジュン役を演じています。
店の手伝いはしてくれるものの、ヒョンジュンがホテルを辞めたことを残念に思っている彼女とは喧嘩ばかりで、次第に安らぎを与えてくれる年上のジュヒといることに幸せを感じるようになります。
そんなイ・テファンさんは、2022年6月27日より軍入隊しており、この作品が入隊前最後の作品となりました。
アン・ソヒ(キム・ソウォン)
韓国の芸能事務所JYP所属の人気アイドルグループであるTWICEやNiziUの先輩グループとして知られるWonder Girls。そのメンバーとして若干15歳でデビューしトップアイドルとなったのがアン・ソヒさんです。アメリカデビューもした人気グループのセンターとして知られていたアン・ソヒさんは、2015年にグループを卒業し女優として活動するようになります。
その出演作には大ヒット映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」やドラマ「ミッシング〜彼らがいた〜」シリーズなどがあります。
本作ではソヌの妹キム・ソウォン役を演じているアン・ソヒさんは、ある日突然ピアニストを辞めると言い出しソヌを心配させます。
そして突然行方不明となり、ソヌが韓国まで探しに来る羽目になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
個人的にもかなり好きな作品なんですが、ひいき目抜きにしても友情、家族ドラマ、ロマンスについてバランスよく描かれた、人生について考えさせられる感動の名作です!
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