韓国ドラマと言えば、練られたストーリー構成のサスペンスものや、胸キュンのラブコメに中毒性の高いドロドロ系なとが注目されがちですが、たまには心が揺さぶられるような「泣ける」韓国ドラマを見るのもよいと思います。
そこで今回は、切ないロマンスドラマから感動のヒューマンドラマまで、号泣必至の作品を9本選んでご紹介していきます。
それでは早速見ていきましょう。
まず最初にご紹介するのは、個性あふれる演技で存在感を見せるイ・ミンギさんが10年ぶりにドラマ復帰したことで話題となった作品です
他人に無関心で合理的に生きる独身主義者の主人公、寡黙な大人の男性像を見事に演じ、新境地を切り開きました。
IT企業で働く、イ・ミンギさん演じるナム・セヒは38歳の平凡なサラリーマン。
くせのある性格で人やお金に興味がない独身主義者です。
将来を考えて家を購入したもののローン返済に苦しめられる生活を送っている毎日。
一方、チョン・ソミンさん演じる30歳の独身女性ユン・ジホは、ソウル大学卒の高学歴女子ですが、脚本家の夢を抱き安月給の作家補助の仕事をかれこれ5年続けています。
同居の弟ができちゃった婚をすることになり、居場所がなくなってしまったジホは家を出る羽目になります。
そんな二人がひょんなことから一つ屋根の下で暮らすことになり、やがて2人はひかれ合ってゆきます。
韓国ラブコメドラマの王道を行く胸キュン要素満載のドラマです。
クールな独身主義者と恋愛を夢見る女子の主人公カップルだけでなく、倦怠期カップルや結婚と恋愛は別というクールカップルなど、主人公を取り巻く友人たちの苦悩や成長も丁寧に描かれており、三者三様の恋愛模様を堪能できます。
二つ目にご紹介するのは、ヒット作「コーヒープリンス1号店」では穏やかな優しい役柄で人気を博したイ・ソンギュンさんが、その魅力を全開させた作品です。
ヒロインのジアンを演じるIUさんも、これまでのキュートなキャラクターとは一転し、周囲に心を閉ざして生きる役柄を見事に演じきって話題となりました。
建設会社で働く、イ・ソンギュンさん演じるドンフンは、ある日差出人不明の5000万ウォンの商品券が届き、家庭の事情もあり受け取ってしまいます。
そして翌日、匿名の告発を受けた監査部の調査を受けることに。
しかし、商品券は彼のもとから消えており、ドンフンは答えに窮しますが、突如商品券がビルのゴミ置き場から見つかり、ドンフンは「商品券を捨てた男」として英雄扱いされることになります。
その後商品券を捨てたのは、IUさん演じる契約社員のイ・ジアンだと知ったドンフンは、ジアンに関わるうちに、彼女が多額の借金を抱えていることや、孤独な人生を歩んできたことを知り、少しずつジアンを助けるようになります。
そんなドンフンの優しさに触れるたびに、ジアンの心は少しずつ揺らぎはじめます。
「昔のことはなんてことない」、「幸せになろう」、「いい子だな」、「ファイティン」など、名言や印象に残るセリフが多いドラマで、辛い境遇でも人生を変えることができそうで、思わず泣けてしまいます。
三つ目にご紹介するのは、ソ・イングクさんが、兵役除隊後の復帰作として選んだドラマで、もともとは北川悦吏子さんが脚本を手がけた日本ドラマが原作となっています。
これまでラブコメなど明るい印象の強かったソ・イングクさんが、悲しい運命を背負った愛を知らない男を演じ切り、話題となりました。
チョン・ソミンさん演じる広告デザイナーのユ・ジンガンは、パク・ソンウンさん演じる、20歳離れた警察官の兄・ジングクと2人で暮らす29歳の独身女性です。
ある日、ソ・ウンスさん演じる、陶芸家の親友ペク・スンアが開く個展会場を訪れたジンガンは、怪物と呼ばれた男、ソ・イングクさん演じるキム・ムヨンと偶然出会います。
しかし、会場のパーティー準備中にスンアの秘密を知ったムヨンは、その秘密を隠すことを条件にスンアに急接近していきます。
一方、ジングクは、同僚が捜査する事件現場に偶然出くわしますが、当初自殺だと思われたその事件は他殺だったことが判ります。
独自に捜査を進めるジングクでしたが、真実に近づくにつれ事件は思わぬ方向に進んでいくことに。
少しずつ姿を見せる真実の描き方が緻密で、次回が待てないほどのめり込んでしまいます。
凍った心を溶かしていく温かいラブストーリーと、ハラハラドキドキの緊張感が走る上質なサスペンスを楽しめます。
四つ目にご紹介するのは、韓国で最高視聴率45%を記録し、アジアで一大ブームを巻き起こした至極のラブストーリーです。涙なくしては見られません。
ヒロインを務めたのはあの「冬のソナタ」でおなじみのチェ・ジウさんです。
彼女が「涙の女王」と言われたきっかけが、実はこの「天国の階段」だったんですね。
建築家ハン教授の娘、チェ・ジウさん演じるチョンソと、デパートや遊園地を経営するグローバルグループ会長の一人息子、クォン・サンウさん演じるソンジュは、幼い頃から家ぐるみの付き合いで兄弟のように育ちました。
やがて二人は成長し、再会を約束して別れますが8年後、記憶を失ったチョンソは死んだことにされ、別人・チス(チェ・ジウさん二役)として生きていました。
ソンジュは、チョンソの面影を追ってチスに近づきますが、愛し合う二人の関係に、チョンソを愛する、シン・ヒョンジュンさん演じるテファや、ソンジュを愛する、キム・テヒさん演じるユリの思惑が絡み合い、それぞれの運命が大きく動いていきます。
交通事故から記憶喪失に難病など次々と不幸に見舞われるヒロイン、そして残酷非道な継母親子のイジメなど、悲恋ドラマの要素満載です。
また伝説のクォン・サンウのブーメラン投げや、今や韓国を代表する女優となったパク・シネさんが、本作でヒロインの少女時代を演じているのも要チェックです。
五つ目にご紹介するのは、突然、現代から高麗時代にタイムスリップしたヒロインが、美男子だらけの皇室で繰り広げる胸キュンストーリーです。
カリスマ俳優イ・ジュンギさんと女優としても活躍の場を広げる人気歌手IUさんが初共演したことでも話題となりました。
IUさん演じるコ・ハジンは、ある日湖に落ちた子供を助けようとして溺れてしまいます。
目を覚ますと、そこは高麗時代で、少女ヘ・ス(IUさん二役)の体に乗り移っていました。
高麗の初代皇帝ワン・ゴンの宮廷で生活を送ることになりますが、そこで彼女は世にも美しい8人の皇子たちと出会います。
優しい第8皇子、カン・ハヌルさん演じるワン・ウクと惹かれ合う一方、冷徹な第4皇子、イ・ジュンギさん演じるワン・ソに何度も命を救われるヘ・スは、ワン・ソの素顔に触れ、次第に距離を縮めて行きますが、彼こそが後の第4代皇帝光宗だと知ります。
見どころは何と言ってもヒロインを取り巻く8人のイケメン皇子たちです。
ツンデレ皇子から癒し系皇子に子犬系皇子まで、あらゆるタイプを網羅した8人のプリンスたちとの恋の駆け引きは胸キュンの連続です。
また、一見青春ストーリーに見えますが、ドロドロの権力争いを繰り広げる、見応え抜群な歴史ドラマにもなっており、その方面にもお薦めできます。
六つ目にご紹介する作品は、イ・ジュンギさんが国民的義賊を演じた史劇ドラマで、パク・シフさんやハン・ヒョジュさんなど豪華キャストが共演したこともあり、同時間帯視聴率1位を独走し、最高視聴率31%を記録しました。いまだに多くの人に愛され続ける名作と言えます。
17世紀の朝鮮王朝時代、功臣イ・ウォノの息子ギョムはある晩、目の前で父親が刺殺されてしまいます。
衝撃のあまり記憶を喪失したギョムは、イ・ジュンギさん演じるヨンとして、庶民のセドルとタン夫婦の子として育てられます。
遊んでばかりの日々を過ごしていましたが、ある日、殺害された父親と生き別れた母と妹の記憶を取り戻します。
悲しみと無念の中、ヨンは家族を破滅に追い込んだ人物を捜し出し、復讐を誓います。
父を刺した剣の文様だけを手がかりに、貴族の家に忍びこみ盗みを始めますが、現場に一本の梅の枝を残すことから「イルジメ(一枝梅)」と呼ばれ、権力者を懲らしめる義賊としてその存在は庶民の間に広まっていきます。
テコンドー経験者であるイ・ジュンギさんのキレのある動きや戦闘シーンは見ごたえがあります。
また、イルジメとヒロインのそれぞれの幼少期を演じる、ヨ・ジングさんとキム・ユジョンさんは、現在では主演級俳優として活躍していますが、彼らの子役時代は必見ものです。
七つ目にご紹介するのは、今最も旬な俳優、チャン・ギヨンさんが主演する作品で、初恋を守り続けるふたりが互いの痛みを包み込んでいく純愛ラブストーリーですが、優しさと強さを内包するキャラクターを見事に体現して、MBC演技大賞5冠を獲得しています。
チャン・ギヨンさん演じるユン・ナム(チェ・ドジン)は、ホ・ジュノさん演じるサイコパス連続殺人鬼ユン・ヒジェの息子で、善良で賢明な少年でした。
そして、ソウルから引っ越してきた国民的女優の娘、チン・ギジュさん演じるキル・ナグォン(ハン・ジェイ)と、初めての出会いから惹かれあい、忘れられない日々を過ごしていました。
しかし、ナムを溺愛していた父ヒジェは、自分からナムを奪おうとしたナグォンの家族が目障りだったため、衝動的に両親とナグォンまで殺害しようとするも、ナムは自分の父親を警察に通報し、刑務所へ送ることになります。
そして惹かれあっていた二人は、「殺人者の息子」と「‘被害者の娘」という関係に。
月日が流れ、ナムはチェ・ドジンという名前の警察官に、またナグォンはハン・ジェイという名前で母と同じ女優になっていました。
トップ女優となったナグォンにある日、ストーカーテロ事件が起こり、運ばれた病院でナムと再会します。
二人の若い男女がついにその境界を壊し、己の道を歩き始めます。
父が犯した罪のため、世間から冷たい目で見られ、自らもその血を継ぐ不安に苛まされるドジンですが、決して人生を投げ出さず、黙って耐え、懸命に罪を償おうとしていくけなげさに心打たれずにはいられません。
八つ目にご紹介するのは、韓国のベストセラー小説をドラマ化し、最高視聴率46%を記録した、まさに2012年の韓国を代表する歴史ドラマの話題作です。
王道の純愛ストーリーにファンタジーやミステリー、そして権力闘争や陰謀といった要素も折り込み、ドラマティックに描いています。
朝鮮王朝時代、王の世嗣である世子の、ヨ・ジングさん演じるイ・フォンは太陽のようでしたが、太陽を優しく抱く月のような少女、キム・ユジョンさん演じるヨヌと運命的に出会い恋に落ちます。
しかし、婚礼を目前にヨヌが原因不明の病にかかり命を落としてしまいます。
その陰には、朝廷の権力争いによる陰謀がありました。
それから8年が経ち、若き王となった、キム・スヒョンさん演じるフォンは、ヨヌを忘れられずにいましたが、死んだはずの、ハン・ガインさん演じるヨヌは、過去の記憶をすべて失い、巫女として生きていたのでした。
ある夜、二人は偶然の出会いを果たし、運命の歯車が再び回り始めます。
当時「新感覚時代劇」として評判となった伝説の大ヒット作で、文句なしに面白い韓国時代劇と言え、歴史ドラマ初心者さんにもおすすめできます。
見どころは、子役たちの演技が光る序盤です。
幼き日のホ・ヨヌ役を「国民の妹」と言われ数々の人気ドラマで、女性主人公の子役を演じてきたスター、キム・ユジョンさんの演技が光ります。
最後にご紹介するのは、不滅の命を持つ「トッケビ」になった高麗の英雄が、900年の時を経て、その命を終わらせられる唯一の存在「トッケビの花嫁」と出会ったことで始まるファンタジーロマンスドラマです。
「コーヒープリンス1号店」など数々の作品で主演を務め、人気を不動にしてきたコン・ユが満を持して挑んだ4年ぶりのドラマとしても話題となりました。
高麗の英雄、コン・ユさん演じるキム・シンは、王の嫉妬のため逆賊として殺されてしまいます。
その後、神力により永遠の命を持つ「トッケビ」となり生きますが、彼をその宿命から解き放つことができるのは「トッケビの花嫁」と呼ばれる存在のみ。
そして900年の時を経たある日、シンはキム・ゴウンさん演じる女子高生ウンタクと出会います。
やがてウンタクはシンがトッケビであることを見破り、自分がトッケビの花嫁だと主張しますが、シンは容易には信じられません。
一方、シンの家臣の子孫である、ユク・ソンジェさん演じるユ・ドクファが、イ・ドンウクさん演じる死神に家を貸し出したせいで、シンと死神の男二人の奇妙な同居生活がスタートし、そこへ親戚から追い出されたウンタクも押しかけてきて賑やかになります。
そして天真爛漫なウンタクと過ごすうちに、不滅の命の終わりを望んでいたはずのシンの心は揺らぎ始めます。
コン・ユさんのキュートでセクシーな魅力に胸キュンが止まりません。
またシンと死神が、お互い気に食わず足を引っ張り合うバトルは爆笑ものですが、実は互いが一番の理解者であることを知る、男同士の厚い友情にも感動します。
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した作品は、いずれも俳優陣の高い演技力と練り上げられたストーリー、さらには心の琴線に触れるセリフなど、視聴者の涙腺を刺激するものばかりです。
是非貴方が心揺さぶる作品に出会え、感情のデトックスに役立てればと思います。