馬医は韓国時代劇ドラマの巨匠イ・ビョンフン監督が手掛けた2012年放送の名作ドラマです。
イ・ビョンフン監督の作品といえば時代劇史上最高の視聴率63.7%を記録した「ホジュン宮廷医官への道」や日本に韓国時代劇を知らしめた「宮廷女官チャングムの誓い」、そして日本で毎年のように再放送されている「トンイ」「イ・サン」といった作品が有名ですが、この「馬医」も何度も見たくなる名作として知られています。
馬医はどんなドラマ?
平均視聴率17.3%、最高視聴率23.7%を記録したイ・ビョンフン監督の3作目。
「馬医」は実在の人物を主人公とした医療ドラマで、17世紀後半の朝鮮王朝時代を舞台に馬の医師から王の主治医(御医)にまでなった名医ペク・クァンヒョンの生涯を描いています。
主軸となるのは医療ドラマですが、恋愛、友情、家族愛、陰謀といった様々な要素が盛り込まれていて、史実にフィクションを上手く織り交ぜた実にイ・ビョンフン監督らしい作品なんです。
本作は、カン・ドジュン、イ・ミョンファン、チャン・インジュら3人の若かりし頃の話から始まります。
身分を超えた友情で結ばれた3人の若者たちは、共に医学の道を志して努力してきましたが、ある時「昭顕世子暗殺事件」という朝廷内の陰謀に巻き込まれたことから、3人の友情は崩れてしまいます。
そして、カン・ドジュンは友人イ・ミョンファンの裏切りによって世子暗殺の濡れ衣を着せられ処刑されてしまうのです。
その後、カン・ドジュンの息子として生まれたクァンヒョンは、罪人の息子として即刻処刑されそうになりますが、カン・ドジュンを慕う奴婢ぺク・ソックが機転を利かせ、自分の娘チニョンとクァンヒョンをすり替えることで処刑を免れることになります。
女児なら処刑を免れるという法を利用して一命を取り留めたクァンヒョンは、その後奴婢として牧場で育てられ、やがて馬医となります。
一方、裏切り者ミョンファンに引き取られたチニョンは、ミョンファンの息子ソンハと共に育つことに。
やがてクァンヒョンとチニョンは奇跡的な出会いを果たし、やがてお互いに恋心を抱くようになります。
しかし、二人の前には身分の壁や出生の秘密、陰謀などが立ちはだかり…。
今回はそんな名作ドラマの出演者たちが現在どのような活躍をしているのかをご紹介したいと思います。
出演者の紹介
早速8名の出演者をご紹介していきましょう。
チョ・スンウ(ペク・クァンヒョン)
まずは主演のチョ・スンウさん。映画賞を総なめにした名作「マラソン」や、名作サスペンスドラマ「秘密の森」シリーズなどで知られるチョ・スンウさんですが、主戦場はミュージカルや舞台で、実は本作がドラマ初出演作となります。
本作で演じるのは、内医院(ネイウォン)の医官の息子として生まれるも、奴婢の息子として育てられることになった主人公のクァンヒョン。
身分を入れ替えることで死罪を免れた主人公は、馬医を経て医官となり、のちに王の主治医にまで上り詰めます。
そんなチョ・スンウさんは近年、ミュージカルやドラマを中心に活動しており、ドラマ「離婚弁護士シン・ソンハン」では元ピアニストという異色の経歴の離婚弁護士役として主演しています。
離婚訴訟を通して、結婚や離婚、子育てについて考えさせられるというヒューマンドラマとなっています。
個人的に大好きな俳優さんの一人で、韓流スターのようなイケメンぶりや、ハリウッドでも活躍する俳優さんたちにあるようなオーラは無いかもしれませんが、彼にしか無い独特の雰囲気と実力が試される寡黙な演技は唯一無二のものですよね!
イ・ヨウォン(カン・ジニョン役)
ヒロイン役を演じるのは「善徳女王」でお馴染みのイ・ヨウォンさん。
ジニョンは主人公やソンハとは幼なじみの関係にあり、やがて医女として主人公と行動を共にするようになります。
当初は清楚で可愛らしいイメージ通りの役柄を演じることが多かったイ・ヨウォンさんですが、近年では「僕は彼女に絶対服従カッとナム・ジョンギ」や
「甘くない女たち-付岩洞<プアムドン>の復讐者-」といった作品で見せるクールで勝気な女性といった印象が強くなっています。
しかし、ドラマ「グリーン・マザーズ・クラブ」では、何も知らずに教育ママたちがしのぎを削るエリアに引っ越してきてしまった母親のオドオドして自信なさげな姿を見事に演じているんです。
これまでとは正反対の役柄なのに、確実に視聴者をイライラさせる演技力の高さは流石としか言えません。
イ・サンウ(イ・ソンハ)
ヒロインのことを見守るイケメン貴公子ソンハを演じるのは、本作が時代劇初挑戦作となるイ・サンウさん。
ソンハは幼い頃から一緒に育ったヒロインに恋心を抱いている人物で、ヒロインの幼なじみである主人公を警戒すると共に、父親の不審な行動を気にするようになります。
イ・サンウさんは大ヒットドラマ「ペントハウス」シリーズ等で知られるキム・ソヨンさんの夫としてもおなじみですが、大ヒット家族ドラマにいくつも出演していることから、主婦層からの人気が高い俳優としても有名です。
妻が出演する作品に特別出演しその度に話題となったり、おしどり夫婦ぶりが度々メディアで紹介されて注目を集めるイ・サンウさんですが、
2023年現在の最新作である愛憎劇「赤い風船 ~絡み合う糸~」では優柔不断な夫役を見事に演じています。
ソン・チャンミン(イ・ミョンファン)
欲深い男イ・ミョンファンを演じるのはソン・チャンミンさん。
ミョンファンは主人公の父親を裏切った人物であり、主人公とヒロインの立場が入れ替わる元凶を作った人物です。序盤は彼の生い立ちが描かれるなど主人公的立ち位置にありますが、主人公の父親を裏切って以降は、主人公やその味方に様々な妨害工作を行う悪役となります。
ソン・チャンミンさんは元々は人気子役として活躍しており、その後主演を経てドラマ「ロードナンバーワン」や
本作での悪役演技で今の地位を確立します。近年は「コッパダン~恋する仲人~」「台風の新婦」といった作品に父親役や財閥の会長役として出演しています。
ユソン(チャン・インジュ)
クァンヒョンとチニョンの出生の秘密を全て知るキーマンである医女長インジュ役は、大ヒットドラマ「ソル薬局の息子たち」出演でブレイクしたユソンさん。
元々インジュとミョンファンは学生時代からの友人でしたが、主人公たちの秘密を知ったことで敵対する関係に。
数多くの映画やドラマに出演し幅広い役柄を演じる彼女は、近年においてもドラマ「イブの罠」「紙の月」「仮面の女王」に
出演するなど意欲的に活動しています。
キム・ソウン(スッキ王女)
18代国王顕宗の妹スッキ王女役を演じるのはドラマ「花より男子〜Boys Over Flowers」のチュ・ガウル役などで知られるキム・ソウンさん。
スッキ王女とヒロインは気の合う友人であり、主人公に対しては恋心を抱いていました。しかし、二人の想いを知ってからは二人の仲を応援するようになります。
近年は映画「流出者たち」や、ドラマ「恋愛は面倒くさいけど寂しいのはイヤ」「三兄妹が勇敢に」のヒロイン役として活躍しています。
キム・ヘソン(インソン王后)
ヒョンジョンの母役を演じるのはキム・ヘソンさん。
「宮廷女官チャングムの誓い」や「トンイ」にも出演するなど、数多くの名作ドラマでお馴染みのベテラン女優です。
近年はイ・サンウさんと共に「赤い風船〜絡み合う糸〜」に出演している他、アメリカに移住した韓国人家族の物語を描くハリウッド制作映画「My Girl’s Choice」に母親役としてキャスティングされています。
チョ・ボア(ソ・ウンソ)
左議政(チャイジョン)の長男の妻役を演じるチョ・ボアさんは、現在いくつものドラマ作品で主演を務める人気女優です。
2011年にデビューしたばかりの彼女にとって本作は、初の時代劇作品であり、役柄的には登場シーンの少ない端役でした。しかし、その後の活躍には目覚ましいものがあり、ドラマ「ボクスが帰ってきた」
「フォレスト」「九尾狐伝」「軍検事ドーベルマン」「この恋は不可抗力」などでヒロイン役を演じているなど、
今をときめく人気女優へと成長しました。
まとめ
いかがでしたか?
今回は名作時代劇「馬医」についてと、出演者8人の現在について紹介してきました。
視聴率面からみるとイ・ビョンフン監督作品群の中では控え目な方なんですが、王道のサクセスストーリーに恋愛要素や陰謀劇を交えた展開は誰が見ても楽しめるものですし、当時としては画期的な外科手術に注目する医療ドラマとしても見ごたえのある作品となっています。
そして出演キャストが豪華なのもポイントで、主演の3人が未だにメインとして活躍していることはもちろん、その他の若手やベテランも未だ現役というだけでなく、当時若手だったキム・ソウンさんやチョ・ボアさんが今や主演クラスへと成長しているんです!
特にチョ・ボアさんは現在バリバリに活躍中の人気女優さんであり、そんな彼女の初々しい姿を見るためだけに視聴しても損はないかもしれませんね。
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