キム・セロンさんと言えば、映画「冬の小鳥」や「アジョシ」などで天才子役として一世を風靡した、才能溢れる期待の若手女優でしたが、去る2025年2月16日に訃報が流れ、世間に衝撃を与えました。しかし故人の命日がキム・スヒョンさんの誕生日だったことで、トップ男優をも巻き込む、大スキャンダルに発展しました。
今回は、彼女が世を去った理由やその後の騒動について、調べてわかったことをご紹介します。
キム・セロンさんは、2000年7月31日 ソウル特別市に生まれ、2025年2月16日に24歳で他界しました。
9歳の頃から子役としての活動を始め、2009年の「冬の小鳥」で、映画初出演ながら主演を飾り、同作で9歳にしてカンヌ国際映画祭にも出席。翌2010年は、ウォンビンさん主演の映画「アジョシ」が韓国国内で大ヒット。天才子役として注目を浴び、大韓民国映画大賞・新人女優賞を史上最年少で受賞しました。
また、TVドラマにも活躍の場を広げ、ヒロインの少女時代を務めた、2011年の「私の心が聞こえる?」や、天海祐希さん主演ドラマの韓国版リメイク、2013年の「女王の教室」などに出演。さらに2014年には、映画「私の少女」に出演し、青龍映画賞で新人女優賞を受賞します。
その後も、2018年の映画「守護教師」や、2022年のドラマ「優秀巫女(ムダン)カ・ドゥシム」などに出演。しかし、2022年5月に飲酒運転で交通事故を起こし、道路交通法違反により在宅起訴されます。以後、芸能活動を中断し、長い自粛期間に入ることになります。
2024年には、人気俳優のキム・スヒョンさんと密着した写真をインスタグラムに投稿し、熱愛説も浮上して話題になりましたが、キム・スヒョンさん側が「事実無根」と表明し、すぐに削除されました。
また同年、舞台「トンチミ」で活動を再開しましたが、批判が沸き起こり、結局「健康上の理由」として降板に追い込まれていました。
一方、今回のキム・セロンさんの死後の騒動に巻き込まれた、キム・スヒョンさんは、新韓流四天王の1人と呼ばれ、どの出演作もハズレがないトップ俳優です。1988年2月16日 ソウル特別市生まれの37歳(2025年現在)。
2007年、オーディションでシットコムドラマ「キムチ・チーズ・スマイル」の水泳部員役を任され、芸能界デビューすると、2010年のドラマ「ジャイアント」で存在感を知られ始め、2011年のドラマ「ドリームハイ」 で一躍注目を浴びました。
そして2012年、二番目の主演ドラマとなった「太陽を抱く月」では、韓国で40%超えという記録的な視聴率を獲得し、一躍その名を広めます。さらに、2013年の「星から来たあなた」でアジア中を虜にしたキム・スヒョンさんは、「韓国芸能界を一度に揺さぶることができる爆発力を持つ俳優」と言われるようになりました。
また、ドラマだけでなく映画でも興行ホームランを飛ばし続けるなど、出演作は必ず大ヒットすると言われ、「視聴率保証俳優」との異名も持ちます。
この報道を皮切りに、各種メディアが関係資料や証拠の有無を検証しながら、報道合戦を繰り広げました。
キム・セロンさんの遺族と「カロセロ研究所」は、キム・スヒョンさんへ、未成年時の交際の事実を認め謝罪するよう要求し、二人の写真や手紙を相次いで公開しました。これらの中には、兵役中にセロンさんに宛てた手紙や、彼女の頬にキスする写真が含まれていました。
一方のキム・スヒョンさんの所属事務所は、二人の交際は事実であることを認めたうえで、「キム・セロンさんが成人した後の、2019年夏から2020年秋までの期間に限られる」と主張し、未成年者との関係については強く否定しました。
いずれにせよ、この疑惑が公になったことにより、キム・スヒョンさんが関係していた放送番組や広告契約に大きな影響が出ています。また来月公開予定だった主演ドラマ「ノックオフ」についても、放送スケジュールが不透明な状況です。
さらには、台湾で予定されていたファンミーティングも中止の可能性が報じられ、もし出演を辞退した場合には、1億円以上の違約金が発生するといわれています。
キム・セロンさんは、2025年2月16日の夕刻、ソウル城東区聖水洞の自宅を訪問した友人によって遺体が発見されました。警察関係者によると自ら命を落としたとみられています。
セロンさんは、当時、インターネットによる誹謗中傷への苦しみを吐露する動画を投稿しており、韓国のメディアでは、これらの誹謗中傷が自害の原因との見方が広がっています。
しかし、セロンさんの遺族や「カロセロ研究所」は違った見方をしており、「キム・スヒョンさん側が、セロンさんとの過去の熱愛を認めず、加えて、借金の督促と脅迫で彼女を死に追いやった」と主張しました。
この「借金の件」について補足すると、キム・セロンさんが、2022年に飲酒運転で逮捕されたときに、7億ウォンという莫大な賠償金を請求されたことがありました。当時この賠償金は事務所が肩代わりした、とセロンさんは認識してましたが、後になって返済するように事務所が要求。
セロンさんは、「すぐには払えない。働いて返すから、時間の猶予がほしい」と事務所に訴えるも、事務所側は聞き入れませんでした。そこで彼女は、元恋人で同じ事務所のキム・スヒョンさんに仲裁を求めたものの、一切返事がなかったため、絶望したキム・セロンさんは、キム・スヒョンさんの誕生日(2月16日)に自害したというもの。
これに対し、キム・スヒョンさん側事務所は、「いかなる理由でも損害賠償を請求したことはない」と反論しています。
また、故人と親交があったナ教授なる人物は、自害の原因を別に見ています。すなわち、最後に彼女の消息を聞いたのは、「生活が苦しくてアルバイトをしていたが、その仕事のことまで、心ないさまざまな言葉に苦しめられていた」ということだったそうです。
つまり、飲酒運転の件以来、ネットでさんざん叩かれたため、それが自害の原因だと見る向きも多いのです。
さらに、セロンさんの元恋人と言われる人物が、韓国メディアとのインタビューで、「彼女の死亡原因は、キム・スヒョンさんとは無関係で、元夫のために苦労したため」と暴露したのです。
その根拠について、「セロンさんがキム・スヒョンさんと交際していたのは、すでに4年も前のことであり、故人も所属事務所側から言われていた、7億ウォンの借金返済に対する負担意識も持っていなかった」というのです。
また、「2024年11月に、ニューヨークで出会い、2025年の初めに結婚したといわれる元夫の暴言や暴行、脅迫で苦しい日々を過ごしていた」と主張しました。さらに加えて「家族とは断絶状態にあり、キム・セロンさんは、家族の無関心に最も苦しみ、悲観していたようだ」とも明かしています。
以上の通り、キム・セロンさんの自害の原因については、キム・スヒョンさんとの関係や借金苦によるものか、ネットの誹謗中傷を苦にしてか、あるいは元夫といわれる人物の暴力か、はたまたセロンさんの家族との断絶を苦にしてか、いろいろ意見が出ていますが、故人は遺書も残していないため、「真相は藪の中」状態と言えます。
いかがでしたでしょうか。
キム・セロンさんの自害の原因について、様々な意見をご紹介しましたが、その中で「キム・スヒョンさんとの関係」は、一番可能性が低いと思われます。逆に一番可能性が高いのが「ネットによる誹謗中傷」という要因でしょう。セロンさんに限らず、最近、韓国の他の若手芸能人の自害の原因としてもよく話題になります。
とにかく「一度失敗を犯した人間や、迷惑をかけた人間を、死ぬまで許さない」という風潮は、韓国は日本よりも強いようですが、もっと寛容になってほしいものです。