ドラマを観る視聴者の目が非常に肥えていると言われる韓国ですが、近年は配信ドラマ数が多くなったこともあり、なかなか高視聴率は出にくいようです。
そんな状況ですが、今回も第三弾として、2016年以降の公開で、最高視聴率が17%以上を記録したヒットドラマを6作品ご紹介します。
結婚作詞 離婚作曲シリーズ
最初にご紹介するのは、2021年にシーズン1と2、2022年にシーズン3が放送された「結婚作詞離婚作曲」です。
30代、40代、50代の三組の夫婦が、「夫の不倫」をきっかけに離婚へと発展していく様をリアルに描いたドラマ。
シーズン1は、「TV朝鮮」のドラマ歴代最高視聴率[7.6%]を叩き出しましたが、シーズン2も想像を超える展開で、シーズン1を超える高視聴率[16.6%]を記録。TV朝鮮を代表するヒットドラマとなりました。
ラジオ番組の制作に携わっている、30代、40代、50代の三人のキャリアウーマンたち。年代も仕事も趣味も全く異なっていますが、いいコンビネーションで仕事は回り、充実していて、夫や子供たちとの関係も良好でした。
ところが、それぞれに想像もできなかった出来事が勃発します。
幸せな音楽を奏でていたはずの生活に、突然降ってわいた不協和音に怒り、驚き、慌てます。
彼女たちはこの身に起きた不協和音を立て直し、新たな家族の形、真実の愛を見つけて再び美しい調べを奏でることができるのでしょうか。
前半は女性目線、後半は男性目線で展開するところが面白いです。
すなわち、夫が不倫に堕ちていく時、夫以外の目線からの状況も描かれているため、徐々に不倫に至った「理由」が浮き彫りになっていくのも見どころです。
また、不倫ドロドロ展開ばかりが注目されがちですが、「夫婦関係の脆さ」を描いた、共感性ある作品であることも支持を集めました。
一度行ってきました
続いてご紹介するのは、2020年にKBS週末連続ドラマとして放送された「一度行ってきました」です。
小児科医として同じ病院で働きながらも、勢いで離婚してしまった夫婦が、周囲を巻き込みながら関係を修復していくハートフル・ラブストーリー。
韓国では「2020年最高の傑作ドラマ」と言われるほど多くの支持を集め、視聴率35%超えを記録しました。
また、一家の父親役を務めたチョン・ホジンさんが、KBS演技大賞で大賞を受賞しています。
チョン・ホジンさん演じるソン・ヨンダルと、チャ・ファヨンさん演じるチャン・オクプン夫婦は、チキン店を営んでいます。
夫婦には子供が4人いますが、スタントマンをしている長男と元客室乗務員の長女は二人とも離婚していて、実家で一緒に暮らしています。
さらに末っ子の娘が結婚してもすぐに実家に戻って来てしまいます。
次女は夫と共に医師として同じ病院で勤務していますが、夫と言い争いが絶えず、次女夫婦も離婚してしまいます。
大家族のそれぞれの話が次々と展開していくので飽きることがありません。
ソン一家を主軸に、恋人、夫婦、兄弟、家族などなどのストーリーがあり、それらが全部絶妙に繋がっています。
「笑って泣けて心に染みる」ホームドラマで、離婚を経験した方や、家族の絆を大切にしたい方に、おすすめしたい作品です。
愛の不時着
三番目にご紹介するのは、2019年に放送された「愛の不時着」です。
韓国の女性と北朝鮮の軍人による禁断の愛を描いたラブロマンス。
初回視聴率は6%でしたが、回を重ねるごとに上昇し、最終回の視聴率は22%と、tvNの歴代最高視聴率を記録しました。
財閥令嬢で実業家の、ソン・イェジンさん演じるユン・セリは、パラグライダー中に竜巻に巻き込まれ、北朝鮮に不時着してしまいます。
北朝鮮軍人、ヒョンビンさん演じるリ・ジョンヒョクに救助されたセリは、軍事境界線を越えたことを知り、隙を見て逃げ出しますが、たどり着いたのはジョンヒョクらが暮らす舎宅村でした。
ジョンヒョクは彼女を自宅にかくまい、秘密裏に帰国させることを決意します。
周囲を欺くために偽の婚約者として一緒に暮らし始めたふたりは、いつしかお互いの純粋さにひかれあっていました。そんなある日、ジョンヒョクの本当の婚約者が留学先から帰国します。
ロマンスドラマが軒並み視聴率で苦戦する中、tvN歴代ドラマ視聴率1位という記録を立てた作品。
コミカルかつドラマチックな世界観と、愛すべきキャラクターたちは今なお愛され続け、「国民的ラブコメ」と呼ばれドラマファンからも絶大な支持を集めています。
赤い袖先
四番目にご紹介するのは、2021年に放送された「赤い袖先」です。
朝鮮王朝第22代王イ・サンと彼が愛した女性との恋と成長の物語を全く新しいアプローチで描いた歴史ラブロマンスで、最高視聴率17%を記録し、MBC演技大賞で8冠を獲得した作品です。
朝鮮国王・英祖の孫、イ・ジュノさん演じるイ・サンは、幼少期に父親を失い、宮廷で孤独に育ちました。
一方、幼い頃から宮女として宮廷に仕える、イ・セヨンさん演じるソン・ドギムは、朗読の才能や好奇心あふれる性格で、周囲からも愛される存在でした。
サンとドギムは、二人が幼い頃に運命的に出会い、サンはドギムに想いを寄せるようになりますが、その後再会することなく時が流れます。
数年後、美しく成長したドギムは、ある日、宮中を走っていて足を踏み外し、偶然居合わせたサンを巻き込み池に落ちてしまいます。
この一件をきっかけに、サンとドギムは距離を縮めていきます。
そんな中、宮廷内では激しい権力争いが繰り広げられており、サンは命を狙われるなど数々の試練に直面します。
イ・ジュノさんとイ・セヨンさんの主役コンビが素晴らしいですが、本作は、主人公二人のラブロマンスだけでなく、女官の人生そのものにも鋭く切り込んだドラマとして画期的な作品でした。
浪漫ドクターキム・サブシリーズ
五番目にご紹介するのは、2016年にシーズン1、2020年にシーズン2、2023年にシーズン3が放送された「浪漫ドクターキムサブ」です。
主人公である天才外科医のキム・サブと、彼のもとで働く医療への情熱ある若手医師たちが繰り広げるメディカルラブロマンス。
シーズン1では、成功を夢見て野心的な医師となった、ユ・ヨンソクさん演じるドンジュが、片田舎の病院に左遷され、ハン・ソッキュさん演じるキム・サブと再会し、彼の下で医師として成長していくところを描き、最高視聴率28%を記録。
続くシーズン2では、病院の不正を内部告発した、アン・ヒョソブさん演じるソ・ウジンと、手術恐怖症で移動になった、イ・ソンギョンさん演じるチャ・ウンジェが、キム・サブのもとで働くことになり、外科医として成長していくところを描き、高視聴率28%を記録。
最新のシーズン3では、キム・サブが青写真を描いていた重症外傷センターで夢をはぐくんでいく教え子たちの姿が描かれ、最高視聴率17%を記録しました。
シーズン1が放送されるやいなや、本格医療ドラマであり、ヒューマニズムにも訴えかける社会派作品として話題となり、その人気はシーズン2、3と受け継がれました。
お金や権力、地位にとらわれることなく、患者のためなら権力者との戦いもいとわない主人公キム・サブの姿に、胸が熱くなること間違いなしです。
夫婦の世界
最後にご紹介するのは、2020年に放送された「夫婦の世界」です。
真実を知った妻の壮絶な復讐劇を描く愛憎ラブロマンス。
英国の大ヒットドラマ「女医フォスター」のリメイク版。
最高視聴率28%は、韓国ケーブルドラマ史上歴代最高で、最後までスリルと緊張感あふれる愛憎ラブロマンスの傑作として話題となりました。
キム・ヒエさん演じるチ・ソヌは優秀な家庭医学専門医。
ソヌの夫、パク・ヘジュンさん演じるイ・テオは売れない映画監督で、ソヌの資金援助で映画企画会社を設立しますが、破産直前に追い込まれています。
夫婦の間には1人息子もいて、ソヌは仕事も家庭も順調だと思っていましたが、ある日、テオが浮気をしていることに気づきます。
テオの浮気相手、ハン・ソヒさん演じるヨ・ダギョンはピラテスのインストラクターで、地元の有力者の娘。
さらにダギョンの妊娠まで発覚します。
復讐の鬼と化したソヌは、テオの友人の会計士、キム・ヨンミンさん演じるソン・ジェヒョクも利用して、テオと浮気相手を破滅させようと画策します。
キム・ヒエさんは、順風満帆な生活から一変、愛する夫に裏切られ復讐に燃える妻を熱演し、百想芸術大賞・テレビ部門の女性最優秀演技賞と、アジアコンテンツアワードの女性最優秀演技賞を獲得し、演技力の高さをあらためて証明しました。
本作の凄みは、衝撃的で刺激的なドロドロ展開だけに留まらず、複雑な感情が渦巻く「夫婦」の葛藤を描き出したリアリティある作品であること。
「夫婦」とは「家族」とは何かを深く考えさせられる名作です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
配信ドラマ数も増え、視聴率だけで人気は図れなくなってきているものの、やはり韓国で大ヒットを記録した「高視聴率ドラマ」は気になりますよね。
今回も、韓国の視聴者が太鼓判を押すドラマばかりなので、是非チェックしてみてください。
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