今回紹介する「私たちのブルース」はオムニバス形式のドラマです。
そもそもオムニバスとは、いくつかの独立した物語を並べて一つにした作品を指すもので、同じ舞台で起こる短編のラブストーリーを集めたものや、同じ時間軸にいる人々それぞれのドラマを描いたもの、ファンタジーやホラーといったテーマの短編を集めたものなどがあります。
今回紹介する「私たちのブルース」はどんな作品なのかというと、韓国の済州島を舞台としたヒューマンドラマになっています。1つのドラマで14人のキャラクターについて描いた作品で、それぞれの人生の行く末を見守るかのような演出になっているのが特徴です。
その内容は、初恋相手との再会や様々な弊害がある年の差カップルのロマンスといったものから、かつての恋人の秘密や久々に再会した親友とのドラマ、おばあさんと孫娘との話、長年わだかまりを抱えてきた母と息子の和解など様々で、これらがごく普通の日常生活の中で描かれていきます。
今回はそんな「私たちのブルース」の簡単なあらすじと出演者について紹介したいと思います。
韓国のハワイと名高い済州島。
そんな人気のリゾート地としての一面がある一方で、済州島の田舎町であるプルン村で暮らす人々は、それぞれに色んな思いを抱えながら日々を過ごしていました。
済州島でトラック雑貨屋を営むドンソクは長年母親と不仲でしたが、島民たちのために各地へトラックを走らせ日用品を販売するのを仕事にしています。
そんなドンソクの友人ソナが済州島へとやってきます。
一方、鮮魚店を営むウニは、両親を早くに亡くし女手一つで弟たちを養ってきました。
そんなウニの前に幼馴染みのハンスが銀行の支店長となって現れます。ハンスの妻は娘の留学のためアメリカに移住しており、ハンスはその費用を稼ぐために奮闘中でしたが借金は膨らむばかり。
ドンソクを心の拠り所とするソナと、高校時代にハンスに想いを寄せていたウニ。
済州島での再会によりそれぞれに青春時代を思い出すことになるのですが…。
母親のオクドンとは不仲で、トラックで日用品を売りさばきながら生活をしているドンソク。
実の母親に冷たい理由は、父と姉を海の事故で亡くした過去が影響しているようで、久々に再会したソナともある苦い過去を抱えていました。
気の短い田舎の三枚目という役柄を演じているイ・ビョンホンさん。
この役柄は近年の出演作である「ミスター・サンシャイン」や「イカゲーム」で演じたものとは正反対ともいえるもので、そのイメージの違いが大きな話題となりました。
ちなみに、現在シーズン2と3を同時制作しているイ・ビョンホンさんも出演する「イカゲーム」の続編は2024年配信予定となっています!そして、イ・ビョンホンさん主演の最新映画「コンクリート・ユートピア」は、2024年1月5日より公開されます。
幼少期に母親に捨てられ、済州島の伯父の家でそだったソナは、ソウルで結婚し子供をもうけますが、心の病を患い離婚され親権も奪われて済州島へと帰ってきます。
そして長年の心の拠り所であったドンソクと7年ぶりに再会を果たします。
シン・ミナさんと交際中として有名なキム・ウビンさんも出演しているということで話題となりましたが、作中ではイ・ビョンホンさんの相手役を演じています。
シン・ミナさんは、近年「補佐官」シリーズや、本作と近いテイストの「海街チャチャチャ」などに出演し、韓国では2023年12月に映画「3日の休暇」の公開を控えています。
貧しい家庭で育ったハンスは、苦労の末ソウルの銀行で支店長となりますが、ゴルフをしている娘の留学のため金銭面で苦労しており、母親と共にアメリカへ留学したことで資金難に陥ってしまいます。
そんな中、故郷の済州島に転勤になったハンスは、たくましく生きる初恋相手のウニや同級生たちと再会します。
クールで個性的な役柄を演じるイメージの強いチャ・スンウォンさんですが、この作品では借金まみれで切羽詰まった銀行員役を演じています。近年はパニック映画「奈落のマイホーム」や人気犯罪アクション映画の続編「毒戦 BELIEVER 2」などに出演しています。
両親を早くに亡くし、女手一つで弟たちを育てたウニは、苦労の末に鮮魚店やカフェを数店舗経営するお金持ちです。村では皆から頼りにされる存在ですが、お金目当てに近づいてくる人も多くいるため人間不信に陥っていました。そんな中、初恋相手のハンスと再会し恋が再燃するのです。
チャキチャキな下町のおばちゃんといったウニに扮するイ・ジョンウンさんは、長年の間バイプレイヤーとして活躍したのち映画「パラサイト 半地下の家族 」に出演し人気俳優の仲間入りを果たします。その後の活躍は凄まじく、名作「椿の花の咲く頃」をはじめ数多くのドラマや映画に出演しています。
最新作は、2023年11月より放送中のパク・ボヨンさん主演のNetflixドラマ「今日もあなたに太陽を」と、イ・ソンミンさん、ユ・ヨンソクさんと共演したLeminoで配信中のドラマ「運の悪い日」です。
両親が早くに他界し養護施設で育ったヨンオクは、色んな職場を転々とする暮らしを送り済州島へとやって来て海女となったミステリアスな女性です。島の男たちはすぐに彼女の虜となるものの、誰にも本心や素性は明かさずにいました。しかし、そんな頑なヨンオクに熱烈アプローチをする男性が現れ戸惑うことに。
2023年放送の主演ドラマ「ヒップタッチの女王」が人気となったハン・ジミンさんは、「イ・サン」や「屋根部屋のプリンス」「知ってるワイフ」「ある春の夜」などで知られるトップ女優です。
本作では女性たちから嫌われる海女という役柄を演じていますが、2024年放送の新ドラマ「挨拶する仲」では、ヘッドハンター会社CEOというクールな役を演じる予定です。
海女たちが乗る船の船長ジョンジュンは、ウニの鮮魚店も手伝っている真面目な男性です。
口数は少ないものの周りからの評判は良いジョンジュンは、ヨンオクに一目惚れし積極的にアプローチするようになります。
“新韓流四天王”の一人とも称されるキム・ウビンさんは、2013年のドラマ「相続者たち」でブレイクした人気俳優です。代表作にドラマ「むやみに切なく」や映画「二十歳」「MASTER/マスター」などがありますが、2017年に“上咽頭がん”を患い2019年12月まで芸能活動を休止していました。
その後の出演作には熱烈ドラマ「配達人〜終末の救世主〜」、2024年1月に第二部も公開される映画「宇宙+人」、Netflixで配信予定の映画「武道実務官」などがあります。
ソウルでマッサージ店を経営しているミランは、3度の結婚と離婚を経験しているウニの同級生です。
幼馴染みのハンスやウニと仲良くしていたミランは、ウニに会うため済州島に戻ってきます。
90年代より第一線で活躍するオム・ジョンファさんは、デビュー以来出演作が絶えない人気女優です。
歌手としても活躍するオム・ジョンファさんは韓国のマドンナという異名もあり、ファンの年代によって彼女に対するイメージが大きく変わってきます。
俳優としての代表作にはドラマ「結婚できない男」、パク・ソジュンさんがブレイクするきっかけとなった「魔女の恋愛」、ドロドロ愛憎劇「あなたはひどいです」、映画「ミス・ワイフ」などがあります。
2023年はNetflixで配信された人気作「医師チャ・ジョンスク」や、韓国で10月に公開された3年ぶりの映画出演作「華やかな彼女」に出演しています。
野菜を育て市場などで売り歩いているドンソクの母親オクドンは、ある理由から息子から恨まれ長年不仲な関係が続いています。以前は海女でしたが、娘を海の事故で失ったことで引退しました。
“国民の母”とも呼ばれたキム・ヘジャさんは、芸歴60年を誇るベテラン女優です。
代表作にはドラマ「母さんに角が生えた」「ディア・マイ・フレンズ」「まぶしくて~私たちの輝く時間~」などがあり、特にウォンビンさんと共演したポン・ジュノ監督による2009年の映画「母なる証明」は、国内外の映画賞をいくつも受賞した名作として知られています。
「私たちのブルース」のあらすじや出演者について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
このドラマは、基本同じ舞台、同じ時間軸にいる人々のエピソードを描いたドラマで、イ・ビョンホンさんとシン・ミナさん、チャ・スンウォンさんとイ・ジョンウンさん、というように決まったコンビによるエピソードが何話か集まって出来たオムニバス形式になっています。
豪華すぎるメインキャストが一挙に勢揃いすることはないものの、他の登場人物とも関係性があったりするため、一つのエピソードが終わっても他のエピソードにも顔を出したりするのが他のオムニバス作品とは違う点ですね。