2003年に放送され、日本はもちろん海外でも高い人気を獲得した韓国時代劇「宮廷女官チャングムの誓い」は、チャングム役を演じたイ・ヨンエさんの代表作の1つであり、韓国時代劇を代表する名作としても知られています。
そんな名作だけあってこれまでに何度も続編の噂が浮上しているんですが、2024年に入り韓国メディアで“「チャングムの誓い」20年越しの新作が決定！”と報道され問い合わせが殺到しました。
そんなわけで今回は、現在話題となっている「宮廷女官チャングム誓い」の続編やイ・ヨンエさんについて紹介したいと思います！
女医チャングムの制作発表
2024年01月30日、ドラマ制作を手がけるエンターテインメント企業Fantagio（ファンタジオ）が、2024年に制作する史劇「女医 大長今（チャングム）」に主演としてイ・ヨンエさんを昨年6月にキャスティングし、ドラマ作家とも契約したと発表しました。
そして10月にはクランクインし、来年初めに放映するのが目標とも明らかにします。
それと同時にタイトルは仮であり、今後変わる可能性もあるとし、どのプラットフォームで放送・配信されるかも明かされていません。
この時Fantagioは、「女医チャングム」では2003年から放映されたドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」に続いて、医女になったチャングム（ソ・チャングム）の一代記を扱う予定だと説明しました。
チャングムの誓いはどんなドラマ？
2003年に放送されたドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」（以降、チャングムの誓い、と表記）はイ・ヨンエさん主演、チ・ジニさん共演による大ヒット時代劇です。
その視聴率は平均45.8%、最高57.8%というとんでもないもので、当初20話程度までの予定だった水剌間（王の御膳を作る厨房）の時代は10話ほど延長され、ドラマ自体も全54話に延長されました。
このドラマはイ・ヨンエさんの代表作となっただけでなく、韓国時代劇の巨匠と呼ばれるイ・ビョンフン監督の名を知らしめ、韓国時代劇を世界的に有名にした作品としても知られています。
その内容は、権力闘争により両親を失った主人公チャングムが、母の遺志を継ぐために同じ水剌間の女官になり、一度は奴婢にまで落とされるも医女となり復帰し、やがて王の主治医にまで登り詰めるというサクセスストーリーです。
前半の料理対決と後半の医療ドラマ展開に加え、友情ドラマやロマンス、壮絶な権力闘争も描かれるなど、バラエティに富んだ展開が魅力です。
そして、様々な困難や策略にあいながらも「悲しんではだめ、泣いてもだめ、簡単に諦めてもいけません」という母の教えを守り抜いたチャングムの姿に胸を打たれる作品でもあります。
その中でもチャングムの師匠となったヤン・ミギョンさん演じるハン尚宮の人気が高く、主人公たちに次ぐ人気キャラクターとなりました。
女医チャングムはチャングムの誓いの続編？
韓国時代劇の顔とも言える人気作「チャングムの誓い」ですが、実はこれまでに何度も続編の話はあったんです。イ・ビョンフン監督は、2012年のドラマ「馬医」の制作発表会にて「チャングムの誓い2」について言及しています。
この時、続編についてはイ・ヨンエさんの出演意思が一番重要だと監督は話し、MBCの意志が強く、イ・ヨンエさんも前向きに考えており、続編を作るならチャングムが母親になったという設定からはじまるとも言及していました。
しかし、「チャングムの誓い」の著作権を持っているキム・ヨンヒョン脚本家とは続編に関して議論したことがないとし、これによりまだ計画段階なことが伺えました。
そして、2013年には続編の制作を2015年上半期から進めるとMBCの社長が発表しますが、2014年になるとイ・ヨンエさんが出演を断ったことにより制作は難航し、事実上、期限のない制作延期だと伝えられます。
このように続編の制作が何度も打診されては立ち消えていたのですが、それから10年は続編についての話題が出ることはありませんでした。
そんな中出てきたのが今回の「女医 大長今（チャングム）」の制作発表なんです！この作品に関しては、イ・ヨンエさんが出演するという話や、仮のタイトルが「女医チャングム」であることから、続編であるという認識が強まっていったとみられています。
結局のところ、ドラマ制作を手掛けるファンタジオサイドが「女医チャングム」を「チャングムの誓い」の続編と明言した事実はなく、続編だと誤解したメディアの誤報だったようなんです。
とはいえ、どう見ても都合よく誤解してもらい、それにより作品が話題となることを狙っていたとしか思えませんよね…。タイトルが仮だというのも、後々問題となればすぐに変えられるようにしてたとも考えられますし…。
この「女医チャングム」が「チャングムの誓い」の続編かのような報道に関しては、「チャングムの誓い」を手がけた作家キム・ヨンヒョンさんが所属するドラマ制作会社のKPJはこのようにコメントを発表しています。
「制作中だと報道されているドラマ『女医 大長今』は、『チャングムの誓い』とは一切関係がない。
『チャングムの誓い』を執筆したキム・ヨンヒョンの（『女医 大長今』）参加可否について問い合わせが殺到したのでお伝えする。キム作家は、『女医 大長今』の制作についてはニュースで知ったのみ。
2003年に放映されたMBC『チャングムの誓い』は、作家のキム・ヨンヒョンのオリジナル制作物であり、『チャングムの誓い』に登場する主要キャラクターの設定、登場人物との関係、事件の展開・エピソードなどの原著者はキム・ヨンヒョンであり、脚本に関する全ての権利を持っている。
『チャングムの誓い』をベースにしたスピンオフや続編、プリクエルもない。そのため『女医 大長今』は全く違うドラマだと推測している。この部分に対する誤解が生じないことを願う。」
とし、「女医チャングム」は「チャングムの誓い」と無関係 であり、続編ではないと否定しました。
主演のイ・ヨンエについて
1971年1月31日生まれソウル出身のイ・ヨンエさんは、14歳で雑誌のモデルとしてデビューし、大学在学中の1990年2月に本格的に芸能活動をスタートします。
ドラマデビュー作は1993年の「お宅の夫はいかがですか」で、このドラマが高く評価されたことで翌年のSBS演技大賞で新人賞を受賞します。その後も次々とドラマや映画に出演し、人気賞や優秀演技者賞、最優秀演技者賞をいくつも受賞するようになります。
韓国では既に人気女優となっていたイ・ヨンエさんが日本でも知られるようになったのは「チャングムの誓い」放送よりも前で、2000年に韓国で公開され大ヒットとなった映画「JSA」が日本でも公開された2001年からなんです。
韓国のみならず日本でもヒットしたこの作品は、前年に公開されヒット作となった「シュリ」と共に韓国映画ブームの火付け役となり、イ・ヨンエさんは日本でも顔を知られることとなります。
そして「チャングムの誓い」が日本でも放送された2005年には、映画「親切なクムジャさん」もヒットし国内外の映画賞で数多くの賞を獲得し、世界的にも有名な女優となります。
チャングム人気が続く2000年代後半には、日本で「チャングムの誓い」フェスティバルが開催され出演したり、NHKやSMAPの番組などにも出演しています。
それ以降は、結婚に出産、大学院へ入学等により女優業は休止状態となり、TVCMなどに出演することはあったものの本格的に仕事復帰したのは2017年からでした。
その後はドラマ「師任堂、色の日記 」、映画「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」、ドラマ「調査官ク・ギョンイ」「マエストラ」などに出演し現在に至ります。
おすすめ作品
このように数多くの作品に出演し、出る作品出る作品を大ヒットに仕上げるイ・ヨンエさんの代表作品をご紹介していきましょう。
親切なクムジャさん
2005年公開の復讐映画です。「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続くパク・チャヌク監督の復讐三部作の最終作で、国内外の映画祭で高く評価された作品です。「チャングムの誓い」のイ・ヨンエさんをイメージすると全く違う印象となります。
しかし個人的には本作が初イ・ヨンエ作品であり、パク・チャヌク監督が好きな事もあっておすすめに選ばせていただきました。
ストーリーは親切なクムジャさんと呼ばれる模範囚の主人公が、幼児誘拐・殺人の濡れ衣を着せた犯人へ復讐するというもので、誰に対しても親切なクムジャさんが服役仲間や事件の捜査関係者たちと共に真犯人を追い詰めていきます。
見事なカメラワークと映像自体の美しさにより過激な描写も綺麗に見える作品なんです。
イ・ヨンエさんのファンならば見ておかなくてはならない作品です！
調査官ク・ギョンイ
2021年に放送されNetflixで配信されたドラマです。
本作のイ・ヨンエさんも皆さんが思い浮かべるイ・ヨンエさんのイメージとはかけ離れたキャラクターを演じています。
それは、夫の死後、自宅に引きこもってゲームと飲酒に明け暮れる元刑事ク・ギョンイという特殊な役柄で、刑事時代の後輩からの依頼である保険調査を請け負うことになります。
このク・ギョンイというキャラクター自体もすごくユニークなんですが、アマチュア舞台俳優兼殺人鬼というケイや、殺人鬼ケイを捕まえるために調査を支援する財団理事長、基本スマホのボイスアプリを使って会話するギョンイのゲーム仲間兼助手など、登場人物が皆個性的なんです。
漫画チックな犯罪捜査ものですが、韓国サスペンスを見飽きた人には新鮮に感じるハマる人にはハマる！といった作品です。
キム・ヘジュンさん、ペク・ソンチョルさん、イ・ホンネさんといった現在活躍中の若手から、キム・ヘスクさん、クァク・ソニョンさん、イ・スンジュンさん、ペ・ヘソンさんなどの実力派まで揃ったキャスティングも好みです。
宮廷女官チャングムの誓い
やはり一番の代表作といえばこれです！
作品の内容についてはすでに紹介していますが、ドラマのクオリティー的にも、チャングムというキャラクターの魅力からしても外せない作品ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
一言も続編とは明言してはいないものの、他人が創作したキャラクター名と職業を拝借し、イ・ヨンエさんやタイトルまで利用しているのは、最初から炎上目的なのでしょうか？
その後この問題がどうなっているのかは分かりませんが、本当に「チャングムの誓い」とは関係ない「医女チャングム（仮）」にイ・ヨンエさんは出演し、このまま制作も続行するのでしょうか？
続報に注目です。
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